#352 方言区画論について
東條(1950)による「方言区画論」の説明によれば、この理論は「国語がいくつかの方言に分けられること」を説くものであると説明されています。
東條氏は、それまでの東部方言・西部方言という二大方言説を修正し、まず「本州方言」と「九州方言」に改めました。さらに本州方言の中に、東部・中部・西部の小方言を立てたと説明しています。
また、この区画論について困難な点として「境界線」の問題をあげています。東西で方言が違っていても、その中間地域は両方言の性質をどちらも共有しており、判然と分けることはできないと説明されています。ただ、判然と分けることができないといっても、関東方言と関西方言の対立は、やはりわれわれの意識内の事実であるとも言っています。
さらに、方言周圏論と方言区画論とは立場が異なる二つの立論と理解しており、「方言」という語義の解釈そのものが異なると説明しています。
方言区画論の立場をとる東條氏は、われわれの方言とは「ある一地方の言語体系全体を指すものであって、その中の一つ一つの単語だけを意味していない」としています。そして、「マイマイツブロ」や「メメズ」などというのは方言の組成の一要素ではあるものの、方言そのものではないと述べています。
簡単にまとめると、方言区画論は一々の俚言(単語)を研究の対象とするのではなく、ある地方の「全言語体系」をその対象とし、国語がいくつの地方言語団に分かれるかを攻究するものなのだそうです。
今回のまとめはほんの一部ですが、まったく馴染みのない話題だったので、自分なりに少しでもと思い整理してみました。
参考
東條操(1950)「方言周圏論と方言区画論」『国語学』第4号、1-12頁