#334 ネーミングライツ
昨日(7月9日)の朝日新聞の夕刊1面で、「命名権(ネーミングライツ)」についての特集が取り上げられていました。
記事による定義を紹介すると、命名権とは「施設などに企業名やブランド名を愛称としてつける権利」のこと。企業側は広告宣伝やイメージ向上を狙って契約料を支払い、所有者側は施設の維持管理費を含めた安定的な財源を得られるという仕組みになっています。20世紀後半のアメリカで始まり、日本では2000年代以降に本格的に広まりました。
代表例としては「味の素スタジアム」や、最近ニュースになった国立競技場の「MUFGスタジアム」などが挙げられています。しかし、他にも驚くような事例がありました。なんと「さいたまスーパーアリーナ」がネット企業のGMOと契約し、6年で総額28億円という命名権料で「GMOアリーナさいたま」になったそうなのです。元の名前に親しみがある場合、「そ、それでいいのか……?」というのが、利用する側の正直な本音かもしれません。
とはいえ、自治体側の背後には苦しい財政事情があるようです。記事では秋田県の事例が触れられていました。秋田県では、企業側に希望や条件を聞き取る調査を373もの施設に対して行ったそうです。その対象は、知事公舎や県庁、県警本部、児童相談所、さらには秋田空港や高校にまで及んでおり、まさに多岐にわたっています。ただ、それに対して「関心がある」と答えた企業はわずか2社だったとのことで、双方にとって良い形に着地させるのはなかなか難しいのだなと痛感させられます。
また、命名権の調査を手掛けている三菱UFJリサーチ&コンサルティングの研究員の方によると、近年の命名権は「小型化」が進んでいるそうです。最近では、歩道橋や公衆トイレといった、私たちの暮らしに身近な小さな施設にも愛称をつける動きが出てきているといいます。
これから街中でどんな面白い命名権に出会えるか楽しみな部分もありますし、こうした「愛称」という名付けへの志向性が今後どうなっていくのか、非常に気になるところです。