#330 企業のメディア活用
企業のオンラインメディア活用の実態について、今となっては少し古い情報かもしれませんが、竇(2014)の論文を読みました。
企業がどのように対外的にメッセージを発信しているのかということは、私自身の大きな関心事でもあります。企業のメッセージは、社会的な期待やそれに伴う制約を映し出すものだと個人的には考えており、社会のあり方を考える上でも重要な素材の一つだと思っています。
この論文の中では、2013年6月に行われた調査として「79%の企業がフェースブックアカウントを所有しており、…ツイッターに関しても、…57.3%に増える結果となった」と紹介されています。私自身の研究ではこれまで年次報告書などを中心に見ていましたが、合わせて企業のウェブサイトを確認すると、TwitterやInstagram、最近ではTikTokなどのアカウントも並んでいます。これらを見て、一体どのメディアにどのような人がどのような目的で触れているのだろうかと、かねてより疑問に思っています。
今回の論文では、FacebookやTwitterが普及し始めた2008年あたりからの広報研究の動向を探るため、2001年頃から2013年7月までに発表された海外の主要論文誌「Public Relations Review」(59本)と「Journal of Public Relations Research」(10本)を対象に分析が行われています。具体的には、どのようなメディアが研究され、どのようなトピックや理論が用いられているかといった内容です。
まず、どのオンラインメディアが研究されているかという点ですが、上位3つは「ソーシャルメディア全体」「企業ウェブサイト」「ツイッター」でした。その推移を見ると、「ツイッター」を扱う研究が増えている一方で、「企業ウェブサイト」はがくんと落ちています。私自身がウェブサイトを研究対象として扱っていたこともあり、これには少し冷や汗が出ました。
また、研究されているトピックの上位3つは以下の通りです。
パブリックとの関係構築(23本)
企業が不祥事などを起こした際の「危機・コミュニケーション」に関するもの(13本)
広報活動におけるオンラインメディアの導入(8本)
「関係構築」は変わらずトピックとして根強い人気があり、一方で「危機・コミュニケーション」が上昇傾向にあるようです。
これら3つの詳細や、そこでの議論の内容については、また明日のブログでまとめてみたいと思います。
参考
竇雪. (2014). 広報活動におけるオンラインメディアの利用: 海外諸国の研究動向と今後の課題. メディア・コミュニケーション: 慶応義塾大学メディア・コミュニケーション研究所紀要, 64, 137-146.
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