#313 ソナエルジュへの変更
生命保険協会が、「生保レディ」と呼ばれてきた営業職員の新愛称を2025年に募集し、9,191件の応募の中から「生保ナビゲーター ソナエルジュ」に決定したそうです。現在でも営業職員の約8割を女性が占めているそうですが、記事によると、今回の変更には「性別にとらわれない新たな愛称を業界として決めるため」という狙いがあります。「ソナエルジュ」という言葉は、生命保険がリスクへの「備え」になることと、案内人を意味する「コンシェルジュ」を掛け合わせて生まれたものです。
同記事の中では、業界最大手の日本生命保険が1969年から17年間にわたりテレビCM「ニッセイのおばちゃん」を放映し、1999年まで営業職員を「ニッセイレディ」と呼んできた歴史も紹介されています。しかし現在、生保各社はすでに特定の性別を連想させない独自の呼称を導入しており、日本生命の「ニッセイトータルパートナー」や、プルデンシャル生命の「ライフプランナー」などがその一例です。
こうした動きの背景にあるのが「Politically Correct(PC)」です。東(2009)は、PCを「差別的にとらえられるような言葉を避けて、中立的な言葉を使おうという動き」として取り上げています。これは男女の性別に関するものだけでなく、社会的に弱い立場にある人たち全般に対しても言えることです。
例えば性別に関する表現では、「chairman」から「chairperson」や「chair」へ、「steward/ess」から「flight attendant」へ、「girls」から「women」への変更などが挙げられます。さらに性別以外でも、「Indians」から「Native Americans」へ、「Orientals」から「Asians」へ、「handicapped」から「physically challenged」へ、「deaf」から「hearing impaired」へと、より中立的な表現への移行が進んできました。ただ、こうしたPCの動きについては、時に「行き過ぎではないか」と指摘する声があることも付け加えられています。
言葉の表現が時代とともに変化していく中で、今回新しく決まった「ソナエルジュ」という愛称が、これから人々の間にどれくらい定着していくのか、今から楽しみです。
参考
東照二. (2009). 『社会言語学入門<改訂版>: 生きた言葉のおもしろさに迫る』. 研究社.
朝日新聞デジタル. 2026. 6. 19 https://www.asahi.com/articles/DA3S16485698.html
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[Politically Correct (PC)] [名付け]