#268 心地よい会話の間
古賀及子さんの『5秒日記』の中に、次のようなお話がありました。
「「缶詰のシロップ、そんなに甘くないね」「ほんとだ」と娘と話していたら、ゲームをしたあとで食べた息子も「シロップ、そうだね、甘くないね」と言って、リアルな会話というのはわりと平気で時間差をもって応答する。」
これを読み、以前に往復書簡のスピードが心地よいと感じることについて書いたのを思い出しました。
ターン交替の間の間隔は「交替潜時」などと言われていますが、榎本(2003)を参考にまとめると、会話は話者が順番に発話することによって成立すると考えられています。Sacks, Schegloff, & Jefferson (1974)は、会話において二人以上の人が同時に発話している状態(重複)や誰も話していない状態(空白)を最小化するようデザインされた、話者交替規則を提唱しています。
古賀さんのエピソードや往復書簡が「会話」と言えるかはわかりませんが、その間隔には開きがあります。交替潜時について調べていたところ、面白い研究を見つけました。長岡他(2001)は、この交替潜時について「親しい2者による自然対話における交替潜時の定量的な分析から、交替潜時の長さは、ペア間では異なるが、対話者間(ペア内)では類似する傾向が認められた」と主張しています。
具体的な研究内容は明日まとめたいと思いますが、心地よいと感じる交替潜時は、相手によっても異なると言えそうです。
参考
榎本美香. (2003). 会話の聞き手はいつ話し始めるか:日本語の話者交替規則は過ぎ去った完結点に遡及して適用される. 認知科学, 10(2), 291-303.
長岡千賀, Draguna, M., 小森政嗣, 河瀬諭, 中村敏枝. (2001). 交替潜時の対話者間影響. ヒューマンインタフェースシンポジウム論文集, 1, 221-224.
Sacks, H., Schegloff, E. A., & Jefferson, G. (1974). A simplest systematics for the organization of turn-taking for conversation. Language, 50(4), 696-735.
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[会話分析] [交替潜時] [ターン交替]