#250 Twitterの変化
神保町の三省堂書店が新しくなったということで、ようやく本日の朝、見に行くことができました。開店5分前に到着したのですが、すでに人だかりができていて、朝からこれほど多くの人が訪れるのかと少し衝撃を受けました。金曜日なので、もしや週末に読む本探しなのかしら…などと思いながら開店の時を待ちました。
そこでパッと目に留まった本の中に、冒頭でメディアと受信者の変化について触れていた稲田豊史さんの『本を読めなくなった人たち』がありました。面白そうだったので、新しい三省堂への来訪と直感的な出会いの記念に購入しました。
今読んでいる範囲で特に気になったのは、ウェブメディアの質の低下に関する話です。イーロン・マスク氏がTwitter社(現X)を買収して以降、日本に配置されていたキュレーションチームが消滅したことが影響していると書かれています。
キュレーションチームの仕事は「彼らが意義があると判断した記事を人目に触れさせること」でした。具体的には、各サイトの編集者が自社記事のリンクを含む「モーメント」を作成してキュレーションチームに連絡し、審査を経て意義があると判断されれば、トレンド欄などの目立つ場所に配置されました。これによって人為的にバズらせることが可能だったのです。
しかし、キュレーションチームが解散する際には、これが「世論誘導だ」と批判を浴びてしまったそうです。ただ、本の中でも書かれている通り、新聞や雑誌、そしてTwitterなどの各メディアには、どういう話題を前面に出してどんな読者を取り込むかという方針が必ず存在します。Twitterは公共サービスではなく民間企業ですから、本来は中立を掲げる必要も、世論誘導をしてはいけないという決まりもありません。
稲田さんも「キュレーションチームが確固たる意思を持って、彼らが考えるTwitterの秩序と品位を保っていた」と述べています。一方で、こうしたキュレーションがいなくなった途端、大衆は「他人の不幸」や「わかりやすく刺激的なもの」へと向かうようになりました。結果として品のないワードが頻繁にトレンド入りし、ヘイトや誹謗中傷、真偽不明の憶測などがバズるようになったといいます。
該当セクションの「『他人の不幸』『エロ』『マンガ』『クイズ』しか読まれない」というタイトルも、非常に印象的でした。
参考
稲田豊史 (2026).『本を読めなくなった人たち:コスパとテキストメディアをめぐる現在形』中央公論新社(中公新書ラクレ)
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