#248 車内ビジョン広告
江口(2019)は、「車内のドア上部に設置された液晶ディスプレイ型サイネージの電車広告」である車内ビジョン広告の特徴について、中村・石戸(2010)の研究を中心にまとめています。
その中で特に気になったのは、車内ビジョンはテレビよりも審査基準が厳しいという点です。公序良俗に反しないこと、誰が見ても不快感を与えないものであることが求められます。考えてみれば当たり前のことではありますが、テレビと違って、乗客には「チャンネルを変える」「電源を切る」といった選択肢がないから、という理由も挙げられています。
そうなると、電車内広告は基本的には安全なマナーに沿ったものになり、その言葉遣いや内容も、より規範に準じたものになるのではないか……そんな風に感じています。
ところで、先日私が笑ってしまったタクシーCMについては、芸人の粗品さんも言及して物まねをしていました(私が笑った部分とは別のシーンでしたが)。ただ、観客にはあまり伝わらなかったようで、本人も「タクシーに乗ったら分かる」と言っていました。
タクシーは電車に比べるとさらに乗客層が限られているため、見ている人と見ていない人の情報のギャップが激しそうです。タクシーに乗っている短い時間にしか見ないのに、これほど印象に残るのは不思議なものですが、特徴的な歌やリズム、そしてテレビCMにはない「字幕」が付いていることなど、いくつか決まった特徴は見られそうです。
ちなみに、KINUJOの例のCMはテレビCM版も別に作成されていますが、タクシー版とは全く異なるテイストになっています。この違いについても、非常に気になるところです。
参考
江口瞳. (2019). <最優秀卒業論文> 電車内広告のロジック―人々の意識と行動を踏まえて―. コミュニケーション文化, (13), 99-123.
中村伊知哉、石戸奈々子. (2010). 『日本を動かす次世代メディア デジタルサイネージ戦略 電子看板最前線』 アスキー・メディアワークス.
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6:32ごろ