#244 スラングに魅せられる
『ストレンジャー・シングス』をシーズン1からコツコツと見直し、今はシーズン4の終盤に差しかかっています。
ドラマの中には、多くのスラングが登場します("son of a bitch" や "holy shit" など)。茅本・町(2001)によれば、スラングは常に生まれたり消えたりと流動的であり、地域・世代・社会階級によっても意味が変わるため、定義の難しさが指摘されているそうです。
一方で、『Dictionary of American Slang』では、スラングのポジティブな側面についても触れられています。端的で使いやすい、具体的である、親近感を感じさせる、生き生きとして印象的であるといった特徴が挙げられています。
ただ、本来は適切な言葉遣いとはされないため、仲間内ではない人からその使用を指摘されることは恥ずべきことでもあります。だからこそ、内部の結束力を高める上では有効なツールだとも言えるでしょう。
また、スラングのほとんどは男性によって作られ、使用されているという指摘(Wentworth and Flexner 1960)や、形態的な特徴として「単音節語が多く、破裂音や帯気音で始まることが多い」といった点も興味深いです。
スラングが発生する過程は、一般的な新語ができる場合と似ており、主に以下の3つのパターンがあるそうです。
1)従来の語やその一部を使って新しい組み合わせを作ったり、隠語や頭文字を作ったりする
2)従来の意味や品詞を変える
3)発音を変える
こうしたスラングの作られ方、使われ方、そしてその働きについては、日本語でも同様の傾向があると茅本・町は指摘しています。
『ストレンジャー・シングス』に登場するスラングは、つい真似をしたくなるような独特の勢いがあって、自分でも言ってみたくなってしまいます。ですが、そこはドラマ視聴者同士の間だけにとどめておこうと思います。
参考
茅本百合子・町博光 (2001). 「日本語の俗語と英語の俗語」 『広島大学日本語教育研究』 (11), 49-54.
Wentworth, H. & Flexner, S.B. (1960). Dictionary of American Slang.(ゴリス R.C.、大久保雪美 訳編 1986. 『現代スラング英和辞典』 東京:秀文インターナショナル)
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