#240 Crescent Earth
アルテミス計画が人類最遠地点に到達したことは、日本でも大きく報道されました。祖母の家に滞在していた際、新聞の一面にそのニュースが掲載されており、祖母の食いつきぶりも含め、それまで日本ではあまり報じられていなかったのだなと思いました。
特に、月に接近した地点から撮影された写真が話題となり、私もその美しさに魅せられました。その姿は「地球の三日月」と表現されています。地球のことであるのに、表現の中に「月」という言葉が含まれていることに心地よい違和感を覚え、強く印象に残りました。実際に写真を見ると、確かにその通りとしか言いようがなく、不思議な気持ちになります。
そもそも「三日月」という言葉は、新月から三日目頃の形を指しており、私たちのリアルな感覚が名前の由来になっていることを実感させられます。かつて、一日の語源が「月立ち(つきたち)」であると知ったときもほ~と感銘を受けましたが、釣りを通じて月の満ち欠けと引力、潮の満ち引きの関係(そのギャップが大きいほど釣りチャンスが長いし、魚が活発で餌を食いやすいこと)を教わった際も、月は遠い存在でありながら生活に身近なものであると感じたものです。
英語では、三日月のことを "crescent moon" と表すそうです。音楽のクレッシェンドのように「だんだんと成長する」という意味合いが込められており、満月(full moon)に向かっていく様子が伝わる素敵な表現だと思いました。そして今回の「地球の三日月」は、英語では "crescent earth" と表現されていました。
どちらも、月から地球を見るという状況がなければ生まれない組み合わせであり、まだ違和感のある特別な表現に感じられますが、英語圏でも同じような感覚があるのだろうか…と思いを巡らせています。
また、日本の報道ではNASAの言葉として「私たちの故郷は今も美しい」と紹介されており、趣のある言葉だと感じて原文を調べました。1972年のアポロ17号による月面着陸から現在までを振り返り、多くの出来事があった中でも変わらないことがあるという文脈で、次のように述べられていました。
"We've come so far in the last 54 years, but one thing hasn't changed: our home looks gorgeous from space!"
現在時制・単純相(looks)が、地球の美しさという不変の性質をあらわすのに活きている気がします。
参考
https://science.nasa.gov/resource/crescent-earth/
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