#228 ことばとジェンダー①
最近、ドラマ『きのう何食べた?』を久しぶりに見返しています。お目当てはもっぱら料理シーンなのですが、Netflixの作品解説にある「東京で暮らす弁護士・史朗の日課は、美容師をしている恋人・賢二のための夕食作り。そんな中年ゲイカップルの日常と食卓を、ほろ苦くもあたたかく描く」という言葉の通り、二人の関係性と食卓を囲む空気感に改めて惹きつけられます。
史朗を演じる西島秀俊さんと、賢二を演じる内野聖陽さんのやりとりを眺めていると、自然と心が温まり幸せな気持ちになります。特に内野さん演じる賢二の振る舞いには、学ぶべき点が多くあります。いわゆる女性のようなしぐさや言動も見受けられますが、それは単なる記号的なものではなく、相手への愛や人としての魅力が溢れ出た結果のように感じられます。もちろん、それを受け止める史朗も含め、二人の在り方そのものが非常に魅力的なのです。
こうしたドラマの世界に触れていた折、ふとしたきっかけで『メディアとことば③ 社会を構築することば』の中の「ことばとジェンダー(language and gender)」というセクションが目に留まりました。
本書によれば、「ジェンダー」とはもともと性別を表す文法用語でしたが、フェミニズムによって「社会的・文化的・歴史的につくられた性別」という定義が与えられ、現在は一般的にこの意味で広く使われるようになったといいます。
さらに同セクションでは、ことばとジェンダーに関する研究の流れについても述べられています。その大きな流れの一つは、「女や男を表現することばに焦点をあわせた研究」です。これは性差別語や性差別的表現、あるいは男女をステレオタイプ化する表現を扱うもので、英語圏ではフェミニズムによる言語改革運動とも深く結びついてきました。
もう一つの大きな研究の流れ、そして近年の研究がどのような関心に向かっているのかについては、次回触れたいと思います。
参考
佐竹久仁子「ことばとジェンダー」(岡本能里子・佐藤彰・竹野谷みゆき編『メディアとことば 3 特集:社会を構築することば』pp.172-173, ひつじ書房, 2008年)
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