#214 ジャンル分析について
次に、ジャンル分析の提唱者であるSwales (1985, 1990) の理論について、深山 (2007) の解説を参考にまとめてみたいと思います 。
まず「ジャンル」の定義について、Swalesは「ディスコース・コミュニティ(専門家集団)のメンバーにより認識される、コミュニケーションを目的としたイベント(recognizable communicative event)」であるとしています 。
例えば、科学技術分野を例に挙げると、学術論文、仕様説明、操作マニュアル、特許明細書といったものがその「イベント」に該当し、それぞれが独立した「ジャンル」として扱われます 。これらのジャンルは、それぞれ固有の語彙や語法、さらには情報の配置方法といった「コミュニケーション・ルール」が異なるという特徴を持っています 。たとえ同じ技術的な内容をテーマにしていても、学術論文と特許明細書では、使われる語彙からレイアウトを含む記述スタイルに至るまで全く異なるのです 。
したがって、特定のディスコース・コミュニティの一員として活動するためには、そのコミュニティ内にどのようなジャンルが存在するのかを正しく特定し、それぞれのジャンルごとに定められたコミュニケーション・ルールを分析する能力を身につけていくことが不可欠といえます 。
参考
深山晶子 (2007)「ジャンル分析に基づいたESPアプローチの実践」『時事英語学研究』No. XLVI, pp. 1-15.
Swales, John M. (1985). Episodes in ESP. UK: Prentice Hall International.
Swales, John M. (1990). Genre Analysis: English in Academic and Research Settings. Cambridge, UK: Cambridge University Press.
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