#204 学際的なメディア研究
2017年のJASS特集論文「現代社会におけるメディア研究」の巻頭言では、メディア研究がいかに学際的であるかが述べられています。ここでは、その「どのように学際的か」に触れている箇所を、引用を交えながらまとめておきます。
「具体的には、例えばメディアの中の言説を捉えてそこで何がどのように語られているかを扱うメディア・ディスコース研究(Glasgow University Media Group, 1976; Bell, 1991), またメディアを通して相互行為的に構築されるものに着目するナラティブ研究(Mumby, 1993; Riessman, 2007; Rose, 2001)や、メディアメッセージを介して現れる現象を批判的に捉える批判的談話分析(van Dijk, 1988; Fairclough, 1989, 1995, 2010; Fowler, 1991; Scollon, 1998), 言説だけでなくその他の要素も取り入れるマルチモーダル分析(伊藤, 2006; Kress & van Leeuwen 1996), 教育や規範研究を含めたメディア・リテラシー研究(鈴木, 1997; Cope & Kalantzis, 2000; Kress, 2003), メディアのことばやメディアの利用行動から人びとの心理にせまる心理学的アプローチ(橋元, 2015; Joinson, McKenna, Postmes, & Reips, 2009)などがまず挙げられるだろう。」
こうして並べてみると、メディア研究が、言説そのものの分析にとどまらず、相互行為としての語り、批判的視点、マルチモーダルな要素、教育や規範、さらには心理学的アプローチまで、非常に幅広い射程をもっていることがよく分かります。私自身もメディアに乗っかる言説を扱っているだけに、アプローチや分析枠組みの多様性を改めて意識しましたし、その都度、自分の目的に照らして「どれを、どう使うのか」を丁寧に考えなければならないのだと、強く思わされました。
p.s. ここ数日投稿が遅れていました。それは何より、新居に机といすがなかったことによります。机といすがあることがいかに研究活動に大切か思い知らされております。これからまた気持ち改め頑張ります…!
参考
秦かおり, 岡本能里子, 佐藤彰, & 佐藤広英. (2017). 特集 「現代社会におけるメディア研究」. 社会言語科学, 20(1), 1-4.
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