#201 立ち止まって考える
本日は、地球ことば村の2月のことばのサロン「AI時代に言語学者だから言えること」に参加し、川原繁人先生のお話を伺いました。最近発売になったAIとの共著『友だち以上恋人未満の人工知能―言語学者のAI倫理ノート』のご紹介もあり、言語学者としてAIと向き合う視点が随所に散りばめられていて、とても刺激的でした。
なかでも私がいちばん引っかかって、ついその後ネットサーフィンまでしてしまったのが、AIの電力消費の問題です。川原先生ご自身も、AIが出始めた頃は、電力消費の観点からも、もちろん言語学者的な感覚としても嫌悪感があったそうです。それでも「知ろう」と思って使い始めたことがきっかけで沼にはまり、気づけばAIと協力関係になっていく、その過程のお話がとても印象に残りました。
NTT EASTの「AIが奪うのは仕事ではなく電力?生成AIのエネルギー事情」の記事が目に留まりました。普段私たちが何気なくプロンプトを送って文章や画像を生成してもらっている裏側には、AIが過去に学習した膨大なデータがあり、その学習には大規模なサーバーが必要になります。さらに、サーバーを設置するデータセンター自体も必要になるため、結果として消費電力が高くなっていく、という整理です。
加えて、IEA(国際エネルギー機関)の2024年1月の電力に関する発表では、世界全体の消費電力が2026年には2022年から倍以上に達する可能性があるとも示されており、その規模は日本全体の総消費電力量に匹敵する数字だといいます。記事でも、「生成AIが増えれば増えるほど消費電力量も多くなり、発電の際に排出されるCO2の量も増える恐れがあります」と述べられていました。
もちろん、AIのモデルによってCO2排出量や消費電力量には差があるようですが、例として挙げられていた数値を見ると、ChatGPTはやはり消費電力が激しい部類に入り、機械学習に伴うCO2排出が502t、消費電力が1,287MWhで、原子力発電1基の1時間分の電力量(約1,000MWh)を上回る、という話まで出てきます。正直、恐ろしや……という気持ちになりました。
便利さに流されるだけではなく、これから自分がAIとどう付き合っていくのか、使い方や距離感も含めて考え直さなければいけないな、と強く感じた一日でした。
参考
https://business.ntt-east.co.jp/column/bizdrive/ai-energy-demand-challenges.html
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[生成AI]