#148 ことばの指標性
指標性(indexicality)について調べる中で、これまで読んだことのなかった、佐野(2015)『社会言語学のまなざし』を手に取りました。
そこでは、指標性について次のように説明されています。
「しかし、そもそもあることばを一定の場面や話題や相手ごとに選ぶという選択肢があるのは、選択することに何らかの意義があるからです。そしてその意義とは、「何を伝えるか」ということばの「内容・意味」の問題ではなく、それとは別のところにある、「誰が、誰に対して、いつ」話しているかを策定するものです。このような、場面や話題、相手によってことばを選ぶことで、自分自身が誰であり、相手が誰であり、場面はどのようなものであるかを示しうる性質のことを、ことばの「指標性(indexicality)」といいます。つまり、ことばを話すルールとは、互いにコミュニケーションをとっている「人々の関係の総体」、すなわち「社会」のルールをあらわしてもいる、ということです。(p.6)」
指標性という概念は、重要でありながら、概説書ではキーワードとして索引から引けないことも多く、どこか掴みにくい印象を持っていました。その点、この本では比較的冒頭で、しかもとても端的に示されていて、その後を読み進めるうえでの基盤となる社会言語学的な視点として位置づけられているように感じます。
最近は、この「指標性」が、現在どのような研究テーマや議論の中で扱われているのかについても、ジャーナルなどを通して改めて追ってみたいと思っています。
参考
佐野直子(2015)『社会言語学のまなざし』(シリーズ「知のまなざし」)三元社
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[指標性(indexicality)]