#87 人物写真に何を映すか
昨日に引き続き、エリン・メイヤーの本で紹介されている興味深い二つの実験についてご紹介します。それは、リチャード・ニスベット教授と増田貴彦氏により、日本人とアメリカ人の参加者たちを対象に行われたものです(出典は後日追記します…)。
一つ目の実験では、二十秒のアニメーション映像を見せ(図1, p. 139)、その後、参加者に見たものを説明するよう指示しました。
その結果、アメリカ人は大きなもの、速く動くもの、色鮮やかなものなど、前景にあるものについて述べるのに対し、日本人は背景にある海藻やカエルに触れるなど、背景について述べることが多かったそうです。
二つ目の実験は、「人物の写真を撮るように」という指示を出すものでした(図2, p. 141)。
アメリカ人の多くが、相手の顔がはっきり見えるクローズアップ写真を撮ったのに対し、日本人は人物の背景まで写るように撮影し、結果として人物が非常に小さくなることが分かりました。
昨日の記事でも触れたように、アメリカ人が背景から切り離して特定の人物に注意を向ける一方で、アジア人は背景や、背景と中心人物の関係に注意を向ける傾向があると指摘されています。
その後、実際に写真について西洋の参加者が「…部屋の写真だ。どうして日本人は人物の写真を撮れと言われて部屋の写真を撮るんだ?」と言っていたのが興味深いです。
LINEのトプ画やプロフィール画像などを考えてみると、似たような現象が確認できそうだと直感的に思うし、比較してみてみるのも面白いかもしれないなと思いました。
参考
エリン・メイヤー(著)・田岡恵(監訳)・樋口武志(訳)(2015)『異文化理解力―相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』英治出版
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[異文化コミュニケーション]
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図2