立ち上げのきっかけ

link立ち上げの切っ掛け〜今

 

2014年

子ども会で、女の子のスポーツの監督をした年の事です。

 

小学校を卒業し中学校に入学した子ども達とは、メールアドレスを教えて貰えていたので、練習試合や大会がある度に連絡を取っていました。

自分の部活が無い時は、大会や試合に顔を出して後輩の応援をしてくれる。

OG達とはそんな繋がりでした。

 

7月

市の大会に地域の代表として出場する為の大会。

 

次年度には小学校区内で子ども会が合併するため、町内と言う括りでは最後の大会。

中学生のメンバーも応援に駆けつけてくれ、チームが一丸となり見事逆転優勝。

親も子も感動の涙。

 

後日、大会に向け決起集会を開くことになりました。

OGで高校生になった子ども達も集まり、思い出話や近況報告で楽しく会を終えることが出来ました。

その中の一人・・・

ムードメーカーで、後輩達にも優しい人気者の彼女。

中学生になってからも何ら変わらず、明るい笑顔。

事前の連絡を忘れていた自分にも激しい突っ込み(笑)

何も変わってないと思っていました。

 

大会は惨敗に終わり、夏休みも終わった9月1日。

ニュースで速報が流れます。

 

「女子中学生がマンションから転落」

 

速報が入る度に、嫌な予感が。

場所、年齢、部活がどんどん絞られていきます。

 

「頼む、感が外れてくれ・・・」

 

17時半頃、お母さんから電話が入りました。

「ご迷惑お掛けしました」

と。

 

数日後、お宅へ伺いました。

見せて頂いた彼女からの最後のメッセージ・・・

受け止めたくない言葉達。

苦しんでいたのに全く気付か無かった。

繋がっているようで繋がっていない、現実。

その時からです。

何かやらなきゃ。

こんな子どもが増えてはいけない、と言う気持ちが起こり始めました。

 

その為には、何をやるべきか、何から始めるべきか・・・

 

相談したのは、小学校のファミレンジャー(親父の会、お袋の会の代わりみたいな有志の集まり)で、長く共に活動していた歴代の隊長達。

偶然にも隊長の子どもたちが自死を選んだ娘の同級生。

 

皆さん、この出来事には思うところが有り、自分が考えていたことに共感して頂きました。

 

ファミレンジャーの隊長の一人が、商店組合の理事と言う事もあり、

夏に開催している三河安城フェスタにボランティアのスタッフとして中学生を募集する事が決まりました。

まずは子ども達が地域と関われる事、活躍できる機会の切っ掛けを作る事から始める事に。

 

手探りで始めた2015年は70名だった中学生スタッフ。

次の年は150人

2017年に団体名を「三河安城まちかどネットワークlink」と名付け、心新たに活動を開始。

その年は300人を越えるスタッフが集まりました。(参加者ではなく中学生スタッフの数。しかも2つの中学校のみです)

中学生の夏の思い出の一つとなる一大イベントに成長。

 

2018年、フェスタを経験し中学を卒業した高校生の枠を作り活躍の場を作りました。

高校生には、中学生の時とは違う経験をしてもらおう、と言う事で、企画、仕入れ、運営を経験してもらいました。

子どものうちに、お金の流れを経験してもらおうという、商店街からの案でした。

 

コロナでイベントも縮小、中止と言う経験をしながらも、子ども達が前を向ける場所、楽しいと思える経験、体験をしてもらいたいと言う思いは、どんどん膨らんでいます。

2021年には中学1年生からフェスタに関わって、高校生スタッフとなり春からは大学生又は社会人になる子ども達も出来ました。

2022年。

中学生だった子ども達も20歳となり新たな町の担い手として、楽しみが増えてきました。

町で活躍する子ども達の流れは、見え始めています。

 

 

あの出来事から、毎年9月。

お宅へお参りに行っております。

偶然にも市教委で事件の一報を受けた先生が、数年前から彼女が通った学校の校長先生に着任され、同じ思いを持った者として一緒に伺っています。

 

小学6年生だった彼女が書いた、『10年後の私へ』と言う手紙が届いたと、お母さんが見せてくれました。

夢を持って過ごしていた小学校時代に、夢を書いた自分宛の手紙。

あれから時が止まったままの彼女。

改めて、同じことを繰り返してはいけないと心に誓いました。

新たな活動の一つとして毎月最終日曜日に、駄弁る会を開催しはじめました。

宿題をしてもいいし、たんにお茶飲んでゲームをするだけでもいい、本当に駄弁るだけでもいいと言うイベントを開催しています。

人と人との距離は、無駄話ができる時間も関係していると思います。

それこそ、最近言われている『雑相』もそう言うことだと思います。

今の子ども達には、息を抜ける場所、時間が必要です。

ほんとは、大人にも大事だと思っています。

飲み会も好きですが(笑)

 

今年、2024年

あの出来事からちょうど10年になります。

どこまで、前に進めているか・・・

少しは、子ども達の役に立っているのか・・・

わかりません。

少なくとも、共感していただける仲間や地域の方、学校が増えたのは事実です

2024年4月

新たにより多くの子ども達とのつながりをと言う願いを込めて、現在の『三河安城まちかどネットワークlink』から三河安城を外し

『まちかどネットワークlink』と、名前を変更。

 

会を発足し始めた時に考えていた、こういう場所に参加が出来ない子ども達、学校に行けない子ども達に手を差し伸べる機会が、まだ出来ていません。

子ども達が辛い時、学校ではなく、親でも無い。

どうしようもなく逃げ出したい時に、心も逃げ出せる場所、サードプレイスを作って行くことが次の活動の中心になっていきます。

 

子どもがそんな選択をする様な機会は作らないように、手を差し出し続けます。

2024年

link代表 中村幸徳