S.Yairi YD-303
よもやま話&メンテナンス/改良履歴
S.Yairi YD-303
よもやま話&メンテナンス/改良履歴
ギターを弾き始めたのは1972年くらい、友だちに借りた安いギター(2台あった)を弾いていて高価なギターに触れる機会も無いので、「Martin」だろうが「Gibson」だろうがギターの音などどれも大して違わないのでは?とりあえず満足していたのですが。
アルバイトで知り合った人とギターの話になって、聞けばプロを目指していて買ったばかりのMartinのD-76と言うアメリカ建国200年記念モデルを所持していると言うアメリカ建国200年は1975-1976なので時期的にはそのころ、さっそく見せてもらいにお邪魔すると弾いても良いとのこと、恐る恐る手にしてジャン~~と鳴らしてビックリ、いままで弾いていたギターと音がまるで違う、一つ一つの音がはっきりしていてとにかく気持ちよく響く、こんなに違うことにびっくりすぐにギターが欲しくなり...
情報収集をはじめ、大好きな山﨑ハコさんのGuild D-44mはとても買えないのでそれに近い音を出そうな国産ギターさがすことに、70年代はまだまだ国産のギターも成熟途上でギターと言えば「Martin」と「Gibson」と言う時代でしたが、当時井上陽水がLP「氷の世界」(LPではじめて売上100万枚以上を達成した)のレコーディングでS.Yairi YD-304を使用、その音の良さが話題となり人気となったYD-303はその姉妹品。本当はYD-304が欲しかったがアルバイトで稼いだお金がたりなかた...。
そして1976年9月上旬に夏休みのアルバイト代を貰ったその足で御茶ノ水に行ってS.Yairi YD-303を購入。以来40年以上ずっと所有している。
矢入貞夫と言う人が作っていたのでS.Yairiと言う。当時はSヤイリのギターは楽器店のウインドウケース内に飾ってあり、簡単に試奏もさせて貰えない存在。
確かに今手にしてみると、ギター弾きがいかにSヤイリを神格的な存在で扱っていたかが良く解ります。丁寧な造りと倍音の多い煌びやかな鳴り...、抱えているだけで幸せな気持ちにさせてくれます。
材料も金額以上のかなり良い物が使用されています。当時はフォークブーム全盛で作っても作ってもギターが売れたので、S.Yairiのギターでは材料が足りなくなると上位機種の材料を使って作るなどしていたようで、同じYD-303でもバックが3Pの仕様になっていたり、プレミアムな仕様のギターが沢山あったりしたようです。
私のS.Yairiは1976年当時の仕様どうりでサイドとバックに現在では手に入りにくいハカランダを使用してあり、シャリシャリした切れのいい音が気に入っている。
メンテナンス履歴
(1)弦高を低く調整、ナットの溝とブリッジの高さを調整した