1.レジオネラが形成する小胞体様構造の構築機構の解明
肺炎を引き起こすレジオネラと呼ばれる細菌の小胞体接触部位及び増殖部位で機能するタンパク質の同定及び機能の解明を目指して研究を行なっています。
Arasaki et al. (2017) Nat Commun. 8, 15406; Arasaki et al. (2018) J Cell Biol. 217, 3863; Kawabata et al. (2021) PLoS Pathog 17, e1009437; Murata et al. (2022) J Cell Sci. 135, jcs259538. 他
2.がん細胞の転移・浸潤に関与する細胞内輸送機構の研究
エンドサイトーシス、エキソサイトーシス、細胞骨格制御によるがん細胞の運動、浸潤、転移機構の解明を目指して研究を行なっています。
Miyagawa et al. (2019) J Cell Biol. 218, 3355; Inoue et at al. (2024) J Cell Biol. 223, e202303102. 他
3.小胞体-ゴルジ体膜接触を介したタンパク質分泌制御機構の解明
細胞は、必要に応じてタンパク質分泌を量的・質的に調節しています。私たちは、小胞体とゴルジ体という二つのオルガネラ間で起きる直接的な分子のやりとり(シグナリング)が、ゴルジ体からの輸送小胞形成を調節する分子メカニズムの解明を目指して研究を行なっています。
Wakana et al. (2021) J Cell Biol. 220, e202002150; Wakana & Campelo (2021) Cells 10, 1618; Wakana & Tagaya (2023) Methods Mol Biol 2557, 573. 他
4.ミトコンドリアに近接する小胞体領域(mitochondria-associated membrane:MAM)の研究
MAMは、アポトーシス、オートファジー、脂肪滴形成、神経変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病等)、炎症、細菌感染等の現象に関与する小胞体の部分領域で、最近大きく注目されています。本研究室では、それら現象の分子メカニズムの一端を解明することを目指して研究を行っています。
Tagaya & Simmen (2017) Organelle Contact Sites: from Molecular Mechanism to Disease. Adv Exp Med Biol. 997; Sugo et al. (2018) EMBO J. e98899. 他