佐賀西高校(5回生)に我らが在籍していた3年間は、喧騒な時代だった。佐世保に空母「エンタープライズ」が寄港し、日大闘争が起こり、東大入試が中止となり、アメリカン・ニューシネマが勃興した。卒業した昭和45年は、よど号事件で始まり、大阪万国博で浮かれ、70年安保で衝突し、三島事件で終わった。不確実で不安定な時代の中で、皆それぞれが自分の道を模索していたのだと思う。筆者は映画界へ、大庭は運輸行政の分野へ、公山(旧姓・堤)さんは舞踊の道へ、下川はIT業界へ進出し、それぞれの道に精進した。

思い切り晴れ澄んだ空の下、故郷で久闊を叙した。佐賀城周辺は、「明治維新150年祭」でにぎわっていた。あの喧騒な時代がウソのように、のどかだった。(西村)


西村雄一郎 映画評論家・ノンフィクション作家

大庭靖雄 NAFCO取締役相談役・JMFI会長

公山加代子 日本舞踊藤間流師範(藤間豊為)

下川和男 日本電子出版協会副会長・イースト代表取締役会長

© 文藝春秋 2018年8月号 同級生交歓(撮影 山元茂樹)