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九州大学附属

演習林

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Last update: 2022.July.19 A Katayama

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森林フィールドで研究したい人を募集します! - 農学部附属演習林(森林生産制御学研究室・流域環境制御学研究室) (tayo.jp) 

✓お問い合わせは下記フォームよりお願いいたします↓

https://forms.gle/8SJFYAG753N567h19

森林が私たちの研究フィールドです

 世界の陸地面積は約120億 ha。私たちは、この広大な陸地の約30%を覆う「森林」についての研究を行っています。 

 森林の研究と一口に言っても、研究対象は木材から森林そのものまで、活動の場は実験室から地球全体まで様々です。私たち九州大学農学部附属演習林の教員および学生は、時には未知の森の中に分け入り、時には過去の森林の記録を読み解き、時には実験室で夜を明かしながら毎日を過ごしています。

 このサイトでは、そんな私たちの演習林生活の一部を紹介したいと思います。

福岡・宮崎・北海道:3つの広大な演習林

 九州大学附属演習林は、福岡県、宮崎県、北海道の3カ所に存在します。教員や学生は、これらの演習林にて各々の調査研究活動を行います。学生や教員の研究室は一部を除き福岡演習林(福岡県粕屋郡篠栗町)に存在しますが、中には北海道演習林に泊まり込みで調査を行う方などもいます。それぞれの演習林は森林の様相が異なるため、幅広い研究を行うことができます。また、各演習林を活かした授業も展開されています。演習林について興味のある(配属を希望される)学生は、各演習林で展開される講義を履修することをおすすめします。

九州大学附属演習林のホームページはこちら:

http://www.forest.kyushu-u.ac.jp/index.php 

演習林の概要についてさらに知りたい方はこちら:

(新版,日本語のみ)

http://www.forest.kyushu-u.ac.jp/pdf/gaiyou-2013.pdf 

(旧版,日本語, 英語English)

http://www.forest.kyushu-u.ac.jp/pdf/gaiyou.pdf 

都市近郊の森

福岡演習林

 福岡演習林は、福岡県糟屋郡篠栗町と久山町にまたがって散在しています。ここでは照葉樹林のほか、竹林やスギ・マツの人工林をフィールドに調査研究が行われています。

詳しくは:http://www.forest.kyushu-u.ac.jp/fukuoka/index.php 

山岳地帯の森

宮崎演習林

 宮崎演習林は、宮崎県椎葉村にあります。ここの森林の多くは標高1000 m~1600 mに位置しています。ここでは、起伏に富んだ立地における照葉樹林やスギ人工林などをフィールドに調査研究が行われています。

詳しくは:

http://www.forest.kyushu-u.ac.jp/miyazaki/index.php 

北国の森

北海道演習林

 北海道演習林は、北海道東部の内陸部「足寄町」にあります。ここでは、落葉広葉樹林や、カラマツを主とする人工林をフィールドに調査研究が行われています。

詳しくは:

http://www.forest.kyushu-u.ac.jp/hokkaido/index.php 

森林における様々な現象を探求する2つの研究室

 九大演習林には、森林生産制御学研究室と流域環境制御学研究室という2つの研究室が存在します。右図(スマートフォンの場合下の図)は、森林生態系を巡る水や物質の流れを示しています。2つの研究室は、こうした森林の水・熱・物質循環の仕組みや、森林に成育する生き物、また森林の仕組みや生き物を持続的に活用できるような森林資源の管理と利用の在り方について研究しています。

森林生産制御学研究室

 森林生産制御学研究室は、樹木を中心とした森林生物の分布や生活史、生理的特徴、および森林生物から構成される森林生態系の仕組みなどを研究しています。森林生態系には様々な生物が存在しており、生物の営みによって物質や水は循環します。本研究室では、森林にいる生き物の”生きざまがどのようなものか”に着目しています。

 現在所属しているメンバーの研究内容は以下のようなものがあります。

木材はどう成長し、それが木材の質(材質)にどのような影響を及ぼすのか

シカによって森林はどう変化するのか?また森林の変化はシカの個体数や生き方にどのような変化をもたらすのか?

樹木の中を水はどのように移動するのか?また水分の移動を可能にする水分通道組織はどのような構造なのか?

つる植物はどのような生き物で、どのような生きざまか?またつる植物の森林生態系にとっての役割は何か?


詳しくはこちら

生産制御学研究室ホームページ:

http://www.forest.kyushu-u.ac.jp/control/ 

森林生産制御学研究室の教員・学生研究テーマ:

http://www.forest.kyushu-u.ac.jp/control/index.php?%B3%D8%C0%B8%A4%CE%B8%A6%B5%E6%A5%C6%A1%BC%A5%DE


流域環境制御学研究室

 流域環境制御学研究室では、一枚の葉や一本の樹木といった小さなスケールから、一つの森林や生態系、さらには地球規模のような大きなスケールまで、様々なスケールにおける森林を取り巻く水・熱・物質循環に関する基礎的な研究を行っています。

 研究室のメンバーは、以下のようなトピックについて、福岡、宮崎、北海道の演習林だけでなく、他大学の演習林や国外の研究サイトを利用して進めています。

・森林に降った雨のゆくえや物質循環の流れは森林の構造によってどのように変化するのか?

・ダムや貯水池は、渓流の有機物や栄養塩の動態にどのような影響を与えるのか?

・大気汚染や窒素負荷は、様々な地域の森林生態系にどのような影響を与えるのか?

・地球温暖化は森林の炭素・窒素循環や生き物にどのような影響を与えるのか?

・森林において水や炭素はどのように/どのくらい循環しているのか?またこれらを測定するにはどのようにすればよいのか?(推定方法の確立)


詳しくはこちら↓

流域環境制御学研究室ホームページ:http://www.forest.kyushu-u.ac.jp/~ecohydrol/index.php

流域環境制御学研究室紹介パンフレットhttp://www.forest.kyushu-u.ac.jp/ecohydrol/index.php?plugin=attach&refer=FrontPage&openfile=%B8%A6%B5%E6%BC%BC%BE%D2%B2%F0%A5%D1%A5%F3%A5%D5.pdf

流域環境制御学研究室の教員・学生研究テーマ:http://www.forest.kyushu-u.ac.jp/ecohydrol/index.php?staff


※NEW!各研究室の紹介動画を研究室紹介動画特設ページ に掲載しています!

学生が演習林の研究室に入るまで、そしてこれから

Uさん

博士課程

Q:なぜ九州大学に?

 虫の研究ができそうなところ、という一点で大学を選びました。前期試験で第1志望に落ちたので、後期試験で第2志望だった九州大学農学部を受験し合格しました。

Q:なぜ演習林に?

 晴れて大学生になれたものの、故郷から遠く離れた場所での一人暮らし、期待より専門性の高くない授業(もちろん幅広い基礎知識は重要なのですが)などが重なり、多少さぼったり病んだりしました。九大の農学部生は2年の後期からより専門性の高い分野に振り分けられます。成績順で振り分けられるこの分野選択ですが、1年次にサボりすぎたので昆虫学研究室の属する分野に入れませんでした。この辺りまで踏んだり蹴ったりです気を取り直して真面目に授業に参加することにしました。といっても、もともと森林などの自然環境は好きだったので、森林についての専門性の高い授業は楽しいものでした(あいかわらず分子実験などはあまり興味を持っていませんでしたが)。土壌動物の研究をしている現在の指導教員に出会い、その研究室で昆虫群集の研究を始めました。

Fさん

修士課程

Q:なぜ九州大学に?

 もともと木が好きで、木に関連した研究を調べていたところ、セルロースナノファイバーで作られた「透明な紙」というものの存在を知ってとても衝撃を受けたので、その研究ができる九州大学農学部を志望しました。ちなみに、志望校が決まったのは高3の夏頃でした。

 Q:なぜ演習林に?

 入学後、志望していた研究室を改めて訪問して先輩方のお話を伺ったり、講義や実習を受けたりするうちに、分子レベルではなく、肉眼で見えるようなスケールのものに取り組みたいと考えるようになりました。他の研究室も魅力的でとても迷いましたが、人間や木を含めた生物にとって必要不可欠な水の循環についての研究ができる、流域環境制御学研究室を選びました。ぎりぎりまで興味の幅を絞りきれなかったので、幅広い研究分野の先生方がいらっしゃることや、演習林での実習が楽しかったことなども決め手になりました。

 Q:進路(進学)の理由は?

 卒業研究のテーマである河川について少しずつ学んでいく中で、河川とはただの水の通り道ではなく、周辺の環境と密接な関わりを持っていたり、これまでの歴史の積み重ねによって現在の形になっていたりと、とても複雑で奥が深いものだということが分かってきました。また、近年は豪雨災害が頻発していることもあり、災害防止と環境保全のバランスについて様々な立場からの意見をよく目にしますが、残念ながら今の私にはどれが正解なのか判断ができず、もやもやとした気持ちになることが多くあります。正解は決められるものではないのかもしれませんが、将来、自分なりの意見を持ってより良い川作りに少しでも貢献できるようになるために、修士課程に進学して学びを深めたいと考えています。

Oさん

学部4年生(修士課程進学予定)

Q:なぜ九州大学に?

 高校3年生のときに長年目指していた獣医学部を諦め、とりあえず生物が勉強できそうな農学部に志望を変えることにしました。そこで、実家から通うことができて入学後に自分の行きたいコースを選択できる九大農学部を目指すことになりました。

Q:なぜ演習林に?

 入学当初は動物生産コースに進んでくじゅうの牧場に行きたいと思っていました。しかし、1年生の集中講義で宮崎演習林に行ったことや登山に本格的にハマったことが影響して、「フィールドに出るなら森林がいい」と思うようになり、最終的に地球森林科学コースを選びました。

 コースに配属されたときからフィールド系の研究室に行きたいというのは決まっていました。特に研究したいテーマなどはなく複数の研究室で迷っていたのですが、「思いっきり森林や山に入って研究したい、森林そのものについて研究したい」という気持ちが強くなり、それが一番達成できそうな演習林に行きたいと思い始めました。3年生の夏、流域環境制御学研究室のオンライン座談会で地方演習林(宮崎、北海道)にいらっしゃる先生や先輩とお話したときに、伊都キャンパスとはまた違った雰囲気が自分に合っていそうだと感じたのが決め手になりました。

Q:進路(進学)の理由は?

 修士課程に進んで研究を続けたいと思っています。演習林が大好きなので「ここでもっと長く研究したい!」と感じたのが一番の理由です。今は宮崎演習林内とその近くの山を使って土壌侵食が土壌生態系機能に与える影響についての研究を行っていますが、修士課程では九州中に範囲を広げて色々な山で調査をしたいと計画しています。

国際交流

 私たち演習林の学生の過半数は留学生です。世界各地から集まった留学生の方々に、九州大学や福岡での学生生活、演習林での研究活動の魅力について語っていただきました。 

Jさん(韓国出身)

2020年度博士課程修了(Ph.D. Student)

 Kyushu University is one of the leading, top-ranked universities in Asia as well as in the world with a well-designed graduate study program. The students are exposed to well-equipped scientific environments for learning and research such as laboratory facilities, analytical instruments, academic discussions with professors, and technical staff. Based on this information, I applied for MSc., and Ph.D. courses in Graduate School of Bioresources and Bioenvironmental Sciences, Kyushu University, and I luckily won the MEXT scholarship with help from my academic advisor of Forest Ecosystem Management laboratory.

 The laboratory (Fukuoka Forest Research Forest) is located approximately 30km away from Ito campus, Kyushu University. There are six professors (one professor, four associate professors, and one assistant professor) and undergraduate and graduate students from various countries from Korea, Myanmar, China, Iran as well as Japan. The scientific fields are extensive (e.g., forest hydrology and forest ecology), and accordingly, I can learn applied forest sciences. We have a regular seminar every week, a big seminar every year by inviting a leading researcher, a lunch seminar every year with a full smile. Therefore, we can get very fruitful, logical comments and advice from the professors and students for researches.

 My routine and research life in the Forest Ecosystem Management laboratory, Kyushu University, is full of excitement. I want to welcome you if you come to the laboratory and spent great time together. 

Yさん(中国出身)

博士課程(Ph.D. Student)

 私は中国の山西省から来ました。福岡が好きだったので、九州大学を選びました。

 今は九大にて4年間も過ごし、無事に博士1年生になりましたが、振り返ってみると、一度も後悔することがなく、九大生で良かったと常に思っています。なぜかというと、まず、周りには優秀な学生に囲まれて、みんな助け合いながら競い合うため、自分も頑張らないといけないと思って、研究には力を入れています。

 それから、研究上では先生達が厳しく指導してくれていますが、生活の面でも色々考えてくれていて、人間としても成長させて頂きました。

 また、九州大学には留学生が多くて、国際化が進んでいる大学として、国際視野を広げたい学生にとって九州大学は絶対にいい選択肢だと思います。しかも、海外の一流の大学との交換留学プログラムがたくさんあって、海外に行ってみたい学生にもお勧めします!

Sさん(ミャンマー出身

2020年度修士課程修了(Master student)

 It was a great opportunity for me to study master courses and to do research at Kyushu University which is one of the best research universities in the world. The learning environment at this university is excellent and it is equipped with the modern technologies and advanced facilities that made us to enjoy studying in Japan. The courses offered at the Graduate School of Bioresource and Bioenvironmental Sciences were so enriching. From classroom sessions, field trips, seminars, workshops and other opportunities for learning provided by the program, I gained theoretical knowledge, multiple skills and practical experiences.

 I belonged to the laboratory of Forest Ecosystem Management and I had a chance to study advanced techniques at our lab. Our lab supervisors are very kind and helpful persons and they helped me a lot in my research works. Moreover, staffs are very nice, and they are willing to help for our problems. Besides my study, I had a chance to meet new friends from different countries, exchange multiculturalism, languages and experiences. My lab friends are very happy type persons and they made my days with happy memories. Spending time with these friends will be unforgettable memories for my life. I was also able to enjoy the lifestyle, culture and food of Japan. During staying in Japan, I feel safe and secure as Japanese people are very friendly and polite. I am so impressed on the Japanese behaviors and manners.

 I hope knowledge gained from the studies at Kyushu University will be able to apply in my future career. 

Mさん(ペルー出身)

博士課程(Ph.D. Student)

I started as a research student in the Laboratory of Forest Resources Mangaement, and now continue to do research as a doctoral student in the same laboratory as part of the Graduate School of Bioresource and Bioenvironmental Sciences (Faculty of Agriculture).

So far I have been able to enjoy a variety of experiences inside and outside the university environment. One of the reasons is because the international community of students at Kyushu University is very special and close. Being able to meet students from different countries around the world broadens your perspectives and cultural experiences as well. And another reason may be related to the convenience and location of Fukuoka city within Kyushu Island and Japan. I believe Fukuoka is a very nice city and it definitely has a place for everyone.

In Kasuya Research Forest as well as in Ashoro and Shiiba Research Forest, there are many facilities and commodities for doing research. Personally, this was very surprising at first, given that I come from a tropical country and the access to field stations or research sites usually takes many hours or days in remote areas. Here, not only there is a relatively easy access to research areas, but also the people in the University Forests (technical staff, researchers and professors) make this a place where you can enjoy studying and learning very comfortably.

Lastly, I would say that the broad specialties and experiences of professors within the laboratory will invite you to think deeply about a subject within forest sciences and try to answer any question you would like to. Moreover, the facilities and everyone in Kyushu University Forests are very welcoming of students from different backgrounds.


卒業生の言葉

Sさん

2019年度修士課程修了

林野庁勤務

 2つの研究室が併設されている演習林では福岡、宮崎、北海道の広大な演習林をメインフィールドとして、動植物や、森林・河川の生態系に関する幅広い研究を行っています。

 私は竹林の炭素固定量に関する研究を行いました。苦労して調査地に設置した器材が地面から伸びてきたタケノコに壊されたのは良い思い出です。他の演習林や他大学の施設に行ったり、研究交流会も多く、たくさんの研究に触れる機会がありました。

 こうした経験を通して、より多くの森を見てそれぞれの場所での課題に取り組みたいと思い、現在では日本各地に存在する森林の管理に関する業務に携わっています。

 自然環境に興味がある方、様々な研究に触れたい方は是非とも演習林の一員として、充実した学生生活を過ごしてみませんか?

Kさん

2018年度修士課程修了

建設コンサルタント勤務

 自然を相手にした演習林での研究活動は、予想外の連続です。自然の中ではたくさんのこ とが常に変化し続けていて、頑張ってデータを集めても思うような結論にたどり着かない こともあります。この自然の複雑さが、興味深くもあり、難しい所でもありました。しかし、 苦労して集めたデータとにらめっこし、試行錯誤した経験は、私が仕事の中で考えるときの礎 になっています。

  研究室で渓流のことを学ぶ中で、川と人の関わりについて興味を持ったことをきっかけ に、建設コンサルタントという職業を選びました。「建設」とついていますが、私が担当す る仕事は、川の地形や流量、雨量などから洪水をシミュレーションし、水害を減らすための 対策を提案する仕事です。もう自分で山や川でデータを採ることはありませんが、誰かが取 ってくれたデータを社会に役立つ結果に繋げるために、毎日試行錯誤しています。 

Aさん


2020年度修士課程卒業


福岡県庁農林水産部勤務

 皆さんはフィールドワークはお好きでしょうか?実際に野山に踏み入って、環境や生物を観察して、データを採取する。数ある研究室の中から演習林のHPを、さらには卒業生のメッセージまで読んで下さっているのですから、きっとあなたはこうしたフィールドワークに魅力を感じる方なんだなと勝手に想像しています。今思えば、私が大学受験を考えていたときはとにかくフィールドワークをガンガンやりたくて農学部を志望したことを覚えています。もちろん、理学部など他の学部でもたくさんフィールドワークを行なっている研究室がありますから、ぜひ調べてみてくださいね。では、フィールドワーク主体の研究室のなかで比較したとき演習林の特徴や強みは何でしょうか。あくまで私の意見ですが、ひとつは「フィールドワークの敷居が低いこと」であると思います。

 九大演習林の大きな特徴は、福岡、宮崎、北海道の3地域に演習林があることです。さらに、森林生態学という分野は植物、動物、菌類、窒素や水などの物質循環等々、色々なものを調査対象にすることができます。「演習林という研究室に入る」だけでここまで多様な森林の姿を見ることができ、非常に自由度の高い研究活動が可能です。そして演習林ならではの強みは、フィールドである森林のすぐ近くに宿泊ができる庁舎があり、調査時に宿の心配をする必要がありません。実験室等もありますから、庁舎を研究活動の拠点とし宿泊しながら長期間かけてデータを採取、解析することもできます。さらに演習林には、研究活動を補佐してくれるスタッフの皆さまがいらっしゃいます。私も卒論研究、修論研究を通して調査の際にはいつも宮崎演習林スタッフの方々に温かく出迎えていただき、毎回毎回、宿泊の準備や調査への同行など本当にたくさんの場面で助けていただきました。自分の力だけで調査を達成することはできなかったと思います。このように、演習林ではどんな学生でもフィールドワークに取り組めるような基盤が整っています。これが「フィールドワークの敷居が低い」、つまり森林生態学の世界に飛び込みやすいと思う理由です。

 森林生態学はとても興味深い研究領域です。私は樹木を中心に種多様性や形態的可塑性について研究しましたが、気象のことや物質循環のことなど多岐にわたる知識が必要な場面もありました。デスクに座っていても考えがまとまらないときは、よく庁舎付近の木々を眺めに散歩しました。木々をよく観察すると、樹形や葉の特徴を覚えたり、乾燥ストレスによる枝先の枯れなどに気付いて、そこから解析、考察の着想を得たりもしました。いまの仕事は森林土木の関係で森林生態学とはほとんど関係ありませんが、現場に出向して様子を観察するのはいままでと一緒です。観察しても何かを読み取るのはまだまだ難しいですが、性に合っているので頑張っています。

おわりに

 最後までサイトを閲覧して頂きありがとうございます。

 森林が多様であるように、演習林の教員・学生も様々なメンバーで構成されています。様々な国・地域で、そして森林で是非一緒に研究してみませんか?

 またいつかお会いできる日を心待ちにしております。

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