私が大工の道を選んだのは、神社仏閣を手掛ける大工の仕事を特集していたテレビ番組を見たことがきっかけです。
高校卒業後、知人のつてを頼り、京都の神社建築専門の会社に入社、7年間の修業を経て、2006年、豊後高田に戻り、独立しました。
家づくりにおいて「お施主様とのコミュニケーション」を何よりも大切にしたいと考えています。
お施主様が求める内装や外装に仕上げたり、できるだけ長持ちするように工夫を凝らすのは大工として当然の仕事です。
その上で「お施主様の理想」に少しでも近づけるためには、ご要望や理想だけでなく、小さな不安や疑問も気兼ねなくお話しいただくことで、一緒に解決策を考え、より暮らしにそうご提案ができると考えています。
小さなことでもお話しいただくためにはお施主様との関係づくりだけでなく、その現場に関わる職人も含めて、すべての人が一つのチームとして言いたいことを気兼ねなく言い合える関係づくりが理想だと考えています。
家は「建てて終わり」ではなく、新築からその先何十年も、ご家族が暮らしを営む大切な場所です。家づくりに使われる木材は生き物であり、家を建てている間も湿度や気温の影響を受け伸縮します。そのため、木材を扱う際にはその性質を最大限に活かせるように工夫し、気象条件、温度変化による経年変化を最小限に抑えるため、木材が馴染むための時間を確保しながら作業を行います。また、それぞれの木材が持つ反りやクセを見越して建物の重心を整えるなど、この先何十年も、ご家族が安心して暮らせる家を建てるために、私がこれまでに培ってきた経験と技術を注ぎ込んでいます。
一般的なハウスメーカーと比べると着工から完成までに時間はかかりますが、10年、20年後も床鳴りがしにくいなどのメリットは大きく、これからもこだわっていきたいと考えています。
ご依頼いただいた家が完成し、お施主様から「期待以上だ」と喜んでいただくことが、大工として一番の喜びです。これからもお施主様とのコミュニケーションを大切にして、ご期待に添える家づくりを行っていきたいと思います。