令和6年5月吉日
第10回京都府作業療法学会
「くらしを支える作業療法」
〜次世代への継承、そして未来へ〜
第10回 京都府作業療法学会 学会長
洛和会音羽病院 リハビリテーション部
林 佳宏
この度、京都府作業療法士会よりご推挙いただき、第10回京都府作業療法士学会の学会長を拝命いたしました洛和会音羽病院 リハビリテーション部の林 佳宏と申します。紙面をお借りして、この10回という記念すべき節目の年にこのような光栄な機会を与えていただいた京都府作業療法士会 渡邊会長ならびに理事の皆様に厚く御礼申し上げます。併せて、会員の皆様におかれましては、平素より士会活動にご理解ご協力をいただき学会長の立場より重ねて厚く御礼申し上げます。
本学会では、テーマを「くらしを支える作業療法〜次世代への継承、そして未来へ〜」と掲げ、作業療法の重要性とその将来展望に焦点を当てることを決定しました。
「くらしを支える」というフレーズは、近年社会構造やライフスタイルの変化が著しく、それに伴う生活環境やストレス要因の多様化に対して、作業療法がこれらの変化にどのように対応し、個々の生活においてどれほど有益であるかを深く探求できるよう選びました。我々作業療法士は、対象者の日常生活において機能を向上させるだけでなく環境調整や代償手段を駆使して、健康なくらしをサポートする使命を担っています。
「次世代への継承」は、私たちが蓄積した知識や技術を次の世代にどのように伝え、継承していくかに焦点を当てています。若手療法士は、先人の知見を尊重しつつも、新たなアプローチや研究の方向性にもオープンであることが重要です。教育と学習のプロセスを通じて、作業療法の理念や技術が次の時代に引き継がれ、発展していくことを期待しています。
そして、「未来へ」は、作業療法が今後どのように進化し、社会に貢献していくかに焦点を当てます。
新たな医療技術や社会の変革に伴い、作業療法が果たすべき役割や課題が拡大しています。本学会では、これらの未来の課題に対処するために、多様な意見や知識を共有し、当事者意識を持って共に考える場となることを期待しています。
学会では、初学者日頃の取り組み報告やパネルディスカッションなどを通じて、作業療法の最新の研究成果や臨床実践に関する情報を広く共有する機会となればと考えております。また、異なる経験やバックグラウンドを持つ臨床家、教育者が交流し、協力して作業療法の領域を豊かにすることが期待されます。
本学会は、参加者一同が刺激を受け、新たなアイデアや方向性に触れる場となり、作業療法の未来に向けた共同体形成の場となることを目指します。皆様の主体的な参加と貢献を期待し、共に素晴らしい学術的・臨床的成果を築き上げ、くらしを支える作業療法の未来に一石を投じることができれば幸いです。