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Part4 雲ノ平
Part4 雲ノ平
CLのHdaです。Hdaパーティも最後になりまして,北アルプスは雲ノ平,そして鷲羽・三俣を極める素晴らしいコースを歩いてきました。自分が救急箱を忘れるという重大なミスこそありましたが,全員が大きなけがなく半期の活動を終えられたこと喜ばしく思います。メンバーたちが今後もワンゲルで楽しく活動してくれることを祈っています。ちなみに隠居はできませんでした。
参加者:Hda(CL),Tzawa(SL),Ayama,Kzou,Twaki,Isa(客),Fma(客)
Day -1
前日に折立入りするべく,集合を9/9朝に富山駅とした。集合は各々公共交通で行い,Isaは関西の実家から,Twakiは旅行先の糸魚川からやって来たそうだ。ほか5名は京都からちんたら高山線でやってきたものの,東海道線の沿線火事によって遅延し,夜遅く着くことになった。その余波で富山の寿司を食べ逃し,どうしても食べたかった一同はスシローに行くことにした。おいしかった。
食当としてもう一人体調不良によりリタイアしたメンバーがいたのだが,買った食料を届けるため富山まで飛んでくるそうだった。そんなに無理しなくていいのに……。しかしCLの自分に顔も合わせずそそくさと帰ったのはちょっと許してないぞ。
この日はもう遅かったため準備を明日に託し就寝。
きときと寿司に行きたかった
Day 0
早起きして買い出しのため南富山駅近くのトライアルまで数人で足を延ばした。9時過ぎの電車に乗るつもりだったのだが,Hdaが登山届の印刷を忘れており電車をひとつ遅らせていくことになった。タクシー会社の方にも連絡をし,事なきを得た。富山地鉄の有峰口駅からはタクシーで折立まで向かう。ちょと高かったな……。折立キャンプ場には12:30ごろ無事到着。
・救急箱を忘れる
この日はなにもすることがなかったのでテント設営をし,木の棒で野球をしたりトランプで遊んだりして時間を潰した。Fmaが木の棒で手のひらをえぐったとのことで救急箱を取り出そうとしたところ,京都にこれを忘れてきたことに気づいた。経緯を説明しておくと,まず装点の際にいつも利用していた南の医療箱が見当たらず,まず南を共有していた中釣の二人が持っていることを疑った(この時点で他の医療箱を持って行く判断をするべきだった)のだが,早朝だったため連絡を後回しにしてしまった。この日はHdaもいつもと異なり共同装備を多く持っていて注意が散漫になっており,そのまま完全に失念して……。ということだった。
この時点で撤退する判断もありえたが,山行を続行した意図としてはHda,Tzawa,Twakiの個人装備で痛み止め・胃腸薬・絆創膏・サージカルテープ等が揃っており,山行中の治療はある程度対応できると判断したというのが第一である。原因としてはHdaの不注意が100%であります。申し訳ございません。
夕食はトマトソースパスタであり,pasta risottata の技法によって家で作るのと遜色ない素晴らしい夕ご飯を頂くことができた。食事フェーズでは終始Twakiが活躍しており大変頼もしかった。この日はザックを担いで歩く時間こそほとんどなかったものの,朝から動き詰めだったのとDay-1が存在したが故に体感としてはほとんどDay1であり心の疲労は溜まっていたように感じる。
翌日は3:30出発を目標にし2:30起きを指示し,就寝した。芝の床は大変よく眠れ,0付きとして申し分ない1日となった。
Day1
03:36 折立ヒュッテ
05:15 三角点 R
06:34 五光岩ベンチ
07:23 太郎平小屋 R
09:31 薬師沢小屋 R
|試練の登り R
12:33 アラスカ庭園
13:25 雲ノ平山荘 R
14:56 雲ノ平キャンプ場
Day2
05:15 雲ノ平キャンプ場
06:28 祖父岳 R
06:58 岩苔乗越 R
08:00 水晶小屋 R
08:43 水晶岳 R
09:19 水晶小屋
10:30 ワリモ岳 R
11:13 鷲羽岳 R
12:39 三俣山荘
Day 3
04:38 三俣山荘
05:16 三俣蓮華岳 R
06:47 双六岳 R
07:44 双六小屋
08:50 弓折乗越 R
09:29 鏡平山荘 R
11:39 小池新道登山口
11:55 わさび平小屋 R
13:27 新穂高
※上図の至 黒部五郎岳は正しくは至 野口五郎岳です
Day 1 折立~雲ノ平 行動時間 7:46 ↑1830m ↓627m
03:36 折立ヒュッテ
予定通り起床し,マルちゃん正麺を食べる。当パーティでは定番となったMr. かさばり飯である。オーダーはいつもの順番の間に上回生を挟む形Tzawa-Twaki-Isa-Kzou-Fma-Ayama-Hdaとして行動開始。日が昇るまでは良く星が見える中樹林帯を登って行った。明るくなるまでに樹林帯を消化できたので気持ちよく歩けたと思う。
05:15 三角点
ここら辺からは展望があるため疲労はなくなった。まずは朝日を背に受ける薬師岳に迎えられ,気持ちの良い朝を享受。
右図の階段の箇所でRをとったのだが,気づいたらKzouが100mほど先行する形で遠くに行っており,びっくりしてその場で止まるように言った。泊まりたくない気持ちもわかるけど,集団行動を乱しすぎるのは避けよう。
06:34 五光岩ベンチ
日がかなり照ってきたので帽子・グラスを付けてもらう。
07:23 太郎平小屋
良いペースでいつの間にか太郎平小屋に着。薬師がとても雄大に見え,ここまでくるとこれから歩く稜線をばっちり見渡せる……はずがもうガスが湧いているなぁ。ここでもHdaパーティのジンクスを発動することになるのかと胸の内がざわざわしてくる。
そういえばここの水はでっかいポンプで薬師沢からガンガンくみ上げているらしく十分に水を補給できた。
そして薬師沢までガッツリ下るのだがこの道は所々に金属の杭が地面から生えており,これでIsaがケガをしてしまっていた。危険である。薬師沢まではなんてことない沢ぞいの道で,そこそこアップダウンがあり辛かった。
09:31 薬師沢小屋
特に何も起こらず到着した。水もきれいで,この後に待ち受ける急登に備えて長くレストを取った。
試練の登り
薬師沢から雲ノ平高原までは,台地の壁を登らなければならない。きつさとしては当山行の核心であったかもしれない。
みんな愚痴をこぼしつつ,1時間半みっちり急登をこなした。
12:33 アラスカ庭園
よくわからなかった。よくわからなかったので,怒っている人もいた。
雲ノ平キャンプ場は電波ビミョーとのことだったのでこの付近で天気を取得。変わらず午後から雨予報だった。
13:45 雲ノ平山荘
ここまでで総行動時間は10時間を超えていたが,なんとか雨が来る前に到着した。のんびりテン場の受付を済ませ,おのおのカレーを食べるなどした。お疲れさまでした。
Kzouが睡眠しており,よく頑張ったなぁと思った。
14:56 雲ノ平キャンプ場
無事Day1が終了。テン場は少々狭く張り場所に困ったがなんとか設営した。小雨がときどきぱらついた。
問題だったのが,野菜類が冷蔵バッグがちゃちかったゆえに一部お亡くなりになっていたことだった。腐ったピーマンをすぐ廃棄し,生き残りでなんとか青椒肉絲をつくり,食べた。お米マイスターが今回も健在だったのでお米も美味しかった。
翌日は短日程だったので4時起き・5時発を指示し,就寝。
Day 2 雲ノ平~三俣山荘 行動時間 5:58 ↑972m ↓907m
05:15 雲ノ平キャンプ場
雨こそほとんど降らなかったようだったが,テントはとても濡れており,運搬係には大変迷惑をかけた。とりあえず撤収し,再びマルちゃん正麺を食べた,味が担保されているので少し時間はかかるが朝が快適になる。
いよいよ出発となったが,Day 0が効いて感覚としては完全に3日目のそれで,あと1日残っていることにFmaといっしょに絶望した。
06:28 祖父岳
朝からすいすい動いており,とてもよい。出発から1時間ほどでレストにしたがいい感じであった。祖父岳(じいだけ)は火山で,明らかに変わった岩の質をみな楽しんでいたようである。が,いかんせんガスがひどくこの後水晶に向かう予定だったので晴れてくれることを祈りながら歩いた。
岩苔乗越で再びレストとしたが,Hdaはまだ行くつもりで,レスト管理が少し雑だったと反省している。
水晶小屋までの道は途中までは歩きやすく,久々の読図クイズなど出しつつ歩いた。道がザレてきてからは歩きづらく,Hdaも腕を打ち絆創膏を使ってしまった。またザレてきてからは思いのほか遠く,ガスも結局晴れなかったためパーティの士気は低めだった気がする。
08:00 水晶小屋
晴れなかった。かなしみ。
小屋の人が快く荷物を建屋内に置かせてくれたため,心配なくピストンの体制に移れた。水晶岳までの道はガスっていたが視程は十分で歩くのには支障はなかった。
08:43 水晶岳
今回で一番ガスがひどかったピーク。ここでジンクスにはまる負のエネルギーを吐き出しておいたからこの先天候に恵まれたのだと,前向きに考えることにした。
09:19 水晶小屋
小屋までもどると一転,天候が回復しだして,この時点で野口五郎や読売新道の北の方を見ることができた。このあとも徐々に展望が回復し,みんな元気になって歩けたようだった。Tzawaは展望に気を取られ過ぎてすっ転んでいた。危ない,危ない
ワリモまで・鷲羽までの登りはかなり傾斜がきつかったが,パーティ全体としてペース管理がよくできておりバテ人を出すことなく歩けた。
11:13 鷲羽岳
相変わらず曇り空ではあったものの,ガスることなく山頂に着いた。
鷲羽池は火口湖であり,火山ガスとか大丈夫なんかな?みたいな話をしていたがまったく大丈夫のようだ。水遊びをしているInstagramの投稿も見かけた(⁉)。硫黄の匂いは,もっと下の硫黄沢からしてきた匂いのようだ。
まともな集合写真をやっと撮り,レストもそこそこに三俣山荘まで下る。道はかなりザレており,しかも急なのでかなり体力を削られていたようだ。
また,ここらでやっと槍が顔を出した。北アルプスであることを再確認。
12:39 三俣山荘
良い時間に着くことができた。Hdaがテントの受付をしている間にテントを張ってもらい,皆でご飯を山荘のレストランで頂いた。シカのジビエ丼なるものがひときわ目を引き,あえなくTwaki以外の6名全員頼んでしまっていた。味は牛丼であったが。
予報では午後から雨が降る予報だったものの,山荘についてからは晴れてくれ,ハイドレーションからの水漏れやずぶ濡れのテントのからの水沁みでシナシナになっていたメンバーの装備と精神をまとめてカラッと仕上げてくれた。
夕飯時までは大富豪で時間を潰し,夕飯では再びピーマンの選別をおこない野菜炒めを作った。今回はペミ時のラードを取り除く行程を行ったが,食べやすくなりみなご満悦だったようである。終始食当のクオリティは高く,今後の山行でもその技能を存分に生かしてほしいと思う。
またこの時,N大のワンゲルメンバーにペミを教えてほしいと乞われる珍事も起こった。
また大富豪をし,3:00起きを指示して就寝。翌日の予報は朝から雨だったが……どうなることやら。なおこのあと,三俣山荘のナイトカフェに行ったメンバーがいた。とても良い雰囲気でお菓子も美味しかったらしく,ぜひ利用してみたいものだ。
のこたん……
とてもキレイな山荘
ナイトカフェ
Day 3 三俣山荘~新穂高 行動時間 6:04 ↑670m ↓2119m
04:38 三俣山荘
起きてみると,なんと快晴であった。満天過ぎて星座がわからない星空は大変見ごたえがあったが,朝食のマルタイラーメンの処理でメンタルゲージは±0回復となった。出発してすぐ空が白んできて,くっきりと鷲羽の影が見える。
もう少し経つと燕岳周辺が赤く染まり,雲一つない表銀座稜線と槍ヶ岳が見え,テンションガン上げだった。しかし三俣蓮華岳の山頂にはナゾのもやが……。昨日水晶でそこらへんの実績はクリアしたのだから晴れてくれ……
05:16 三俣蓮華岳
と再びの山頂ガス定期に怯えつつピークにたどり着くと,ほぼ時を同じくして日の出となった。とたん山頂のガスは晴れ,一面のパノラマが!!!三日間かけてここに来てよかったと心から思える,素晴らしい景色であった。
写真をいっぱい撮り,双六岳に向かう。
06:47 双六岳
三俣蓮華~丸山~双六の道は涼しくて大変歩きやすかった。途中ライチョウも観たので,完全に実績を解除したんじゃないだろうか。ここでもさっきと似たような写真を獲得した。槍背景でやりポーズをする予定の集合写真は背景が笠ヶ岳になったので笠ポーズをしようといったが,誰も聞いてくれなかった。
そろそろガスも時間切れらしく,槍や穂高連峰にはガスがかかり始めていた。Hdaはバックルを破損した。
07:44 双六小屋
フルザックで下る双六の登山道は存外険しく,早く着かないものかという思考が支配していたように思う。双六小屋で休憩をとり,北アルプスに別れを告げる。ここからはほとんど消化試合だし……。
弓折乗越までは地図でも微妙にアップダウンがあるのは確認できるのだけど,実際の道は4日間の行程を(ほぼ)終えへとへとの心には十分なダメージを与えるだけの辛さがあったように思う。
08:50 弓折乗越
休憩をする。ここから小池新道登山口までは綺麗に整備された急な登山道をカックーンと落っこちていくのだが,終始かなりペースが速かった。Fmaには膝をやるぞと忠告を受けていたももの,下回生sが平気そうなのでそのまま歩いた。途中シシウドヶ原を過ぎてしばらくしたあたりでFmaからやはりペースを落としてくれとのことだったため,落ち着いて歩くことにした。それでもだいぶコースタイムを巻くぐらいのペースだった。
ちなみに途中の鏡平山荘ではかき氷を食べることができた。日が出ていなかったので寒いかもと思ったが上記の通りハイペースだったのでよい冷却剤になったようだ。
小池新道登山口につく頃には11:30を回っており,下界はずいぶん扱ったので,わさび平のきゅうりがますます楽しみになった。
11:55 わさび平小屋
ほぼゴールということで長めのレストとし,各々野菜だのジュースなどを摂取し4日間の疲れをなぐさめた。
20分ほど休んでから出発し新穂高へ。ただほぼ終わったムードだった一同には新穂高までの1時間の道のりは大変つらかったようだ。
13:27 新穂高
4日間の行程を終え,ついに下山。最後,地図にショートカットルートを記載しておらず困惑させてしまったことは申し訳なかった。けが人なしで行程を終了でき,心底ほっとした。風呂を借りたホテルに到着してすぐ雨が降り,予報のぎりぎりで間に合ったことにも安堵。
このあとは高山から電車で帰ることになるのだが,
・特急間に合わない件
・雨で立ち往生する件
・岐阜でカラオケ泊する羽目になる件
については特段ブログに書くことでもないので,適当に参加者に聞いておくのがよいだろう。
お疲れさまでした。打ち上げは,後日京亀さんで行いました。
感想
Tzawa:3日目が特に良かった。来年の夏は裏銀座縦走もありだなと思った。天気図で翌日の天気を予想する、ということが段々と掴めてきた。下りでの飛ばし過ぎには気をつける。
→高速下りはケガのリスクだけ気を付ければ大丈夫じゃないかなぁ,今回は道もきれいでしたし。メンバーの様子を見ることにはこれからも努めてください。半期お疲れ様でした。後期も役員として頑張ってください。
Twaki:登りが辛いときもあったが、好天が続き楽しい山行だった。初めての北アルプス、初めての連泊山行が良い思い出になった。
→つらい時にきちんとそれを共有して,ペースが調整できることもパーティ山行で大切なことです。よくがんばりました。
Kzou:登山の喜びを再認識させてくれる良い登山となった。一日目の急登や二日目のガスで景色が悪かったのも三日目の極楽浄土の良いスパイスとなった。さらに快適な登山にするために汗の吸い込みにくい服を着ることと岩やけを解決するべきだと思った
→ウールがいいです。汗はむしろ吸ってもらって,早く乾くことのが大切かもしれません。
Ayama:自分の山行経験の中で最も豊かな景色をみることのできた山行であり北アルプスの偉大さを感じた。全体の行動日数は5泊6日と驚異的なものだったがまた良い経験であった。
→バテずに元気に歩いていて素晴らしいと思います。打ち上げまたよろしくお願いします。
Hda:まず医療箱忘れてすみませんでした。山行自体は大きなトラブルなく行程をクリアできて大変幸せでした。Hdaパーティで結局一つもお流れになった山行計画がないことに驚きを隠せません。一人CLはもう大変ですが,もう少しだけワンゲルに力を注ぎたいと思います。
客人s
Isa:天気が良く、本当に幸運だった。参加して良かった
→ご参加ありがとう。パーティ運営が幾分か楽になりました。
Fma: 前半はただしんどい山行だったが、最終日は下回生が楽しそうに歩いていたのでよかったと思った。雲ノ平ではなく双六が雲ノ平だった。
→ご参加ありがとう。トランプに,何度も助けられた