金峰・瑞牆



F間です。NF期間の11月22-23日に奥秩父の金峰山と瑞牆山へ登ってきました。昨年のリベンジで全く同じ山なんですが、単独行だったため感想を共有できる人がおらず、よってこのBLOGで一方的に押しつける次第です。(個人山行)

去年のpart3で苦い思いをした時から、このNF期間に金峰山頂を踏むということは決まっていた。去年partyメンバーだった面々も多少行きたい思いはあるかなと全体で同行者を募ったが、しかしおらず、しかも同じ3回生たちはみんなで八ヶ岳に行くらしい。そっち楽しそうだな〜と思いつつ、だからといって計画中止も面白くない。

諸々調べていたら今年は雪も結構あってクソ寒そうだったのでビビって山小屋素泊まりを選択。また行程的に2日間ほぼ全てピストン装備で歩くことができ、低負荷の山行となった。

1日目:瑞牆山荘(入山)〜富士見平小屋〜金峰山〜富士見平小屋

前日23:00すぎに京都を出る夜行バスにのり朝7:00に甲府駅に到着。1年前は寒い思いをしたが今回は即ロッテリアに入り暖とカロリーにありつけた。2駅隣の韮崎と入山口をつなぐバスにのった。始発で8:50発はやっぱり遅い。この22日と翌23日で今季のバス運行は終わるみたいで天候次第の日程調整ができないなーと思っていたが、実際11月の移動性高気圧が到来して素晴らしい天気になった。

甲府駅唯一の温もり

隣の塩崎駅の表示で昔nirazakiにされていたとかなんとか

この天気。登る前から神回が確定

10:00すぎにバスが入山口についた。諸々の準備をして入場。去年とちがってある程度登山者はいたものの、どことなく閑散としている....
今回のルートは泊地の富士見平小屋を起点に両日ともピストンする形になるので、メインザックを背負って歩くのは入山口〜富士見平小屋の30分程度のみ。途中に瑞牆山がきれいに映るポイントがあった。社会人グループの写真を撮ってあげる。

入山口

瑞牆山を一番綺麗に撮るなら入山口付近でOK

10:49 富士見平小屋着
予想以上に疲れたためスティックパンをもりもり貪る。水に溶かすつもりのポカリの粉がザック雨蓋の中で破裂していた。(余談だが冬に旅館泊しているとこのポカリに大量のアリがたかってきて大変なことになった)
富士見平小屋は相変わらず富士山が木々に隠れて名前負けしていた。小屋泊をするので中に荷物を置かせてもらえ、ピストン装備にした。

11:34ごろ 
大日小屋を通過した。無人小屋だが、パーティー山行でテント使うならこっちに泊まってもいいのでは。2日間の時間バランスが良くなる。そろそろ日陰に溶けきってない雪氷が見られるようになった。
2023年は熊被害がニュースによく出てきた。今回は時期的にも地域的にも熊エンカウントは限りなくありえなかったが、それでも一人だと怖いもので、森の中を歩いていると遠くの黒い木々がことごとく熊のかげを思わせた。自分はとにかく音を出しながら歩こうと思い、叫びながら、音楽をスマホで鳴らしていた(S.O...  "S"  "W"  " E  E"  "T"  でgrrl grrl  grrl...)

やがてマイカーアクセスであろう登山者たちに追いつく。さすがに、音を撒き散らすのはやめた。

前半はずっとこんな道

Tu là?

大日小屋

1時間ぐらい歩いていると斜面に氷が現れてきたので止まってアイゼンをつけた。座っていると後ろから若夫婦がやってきて同じくアイゼンをつけ始めた。目が合ってしまったので会話したところ、静岡から来たらしい。

12:40 砂払の頭という稜線へ出るポイントについた。うお〜。一年前と全く遜色ない展望だったが、共有するメンバーや交わす言葉もなく、カメラのパシャリという音が代わりに感動を表すのみである。やがて昨年引き返した所へ。あの時よりもより一層つるつるに凍っていた。アイゼンの偉大さを噛み締めつつ、苦い思いを乗り越えつつ、突破。
だんだんと登山道の雪の量が増えてきた。相変わらず天気はめっちゃ晴れているので反射がまぶしい。会話で「きれいやなー」とか「うれしいなー」とか発言すると、言葉に思考が吸い寄せられるから頭の中は単色になりがちだ(?)が、今回は無言なので思考は手すりを失い、繊細な変化を繰り返す。つまり何が言いたいかというと、毎度毎度これもああこれもと写真を撮り続けるので山頂にたどり着くのにえらくペースを落としたということである。

こんな写真去年も撮った

上の方はこれぐらい雪があった

切手とかにありそうな絵

13:13 金峰山山頂に到着!見えた山は富士山、八ヶ岳諸峰、南アルプス、大菩薩嶺、甲武信ヶ岳方面など。自分自身やたらここら辺の山を見ている気がしないでもないが、毎回微妙に配置が違うので新鮮ということで。標高2500mということでひんやりとしているものの、日差しが暖かかったので岩の上で小一時間うたた寝をした。空を見ているとあまりに雲がなさすぎて宇宙を感じた(?)。紫外線やばそうだけど、贅沢な日焼けサロンと思うことにしよう

柄にもないことを

北アルプスは真っ白

いろんな山が見えるみたいね

14時過ぎに山頂を後にした。出がけにさっきの若夫婦とすれ違ったので山梨側から見た富士山はどうかと尋ねたら、「こっちの方が雪の量が多い」と言っていた。さすがに普段から観察しているだけのことはある。その後は特段なにもなく、15:50に富士見平小屋へ帰着。帰ってみると金峰山までの道で出会ったよりは明らかに多くの人がテント場で設営していた。おそらくは金峰には行かず瑞牆のみという人たちなのだろう。私的にはもったいないと思う。

お、追跡サインか?と最初は思ったが、多分ただのカオだろう

富士見平小屋

富士微妙に見えない平小屋に改名しろ

先にも述べたが今回は山小屋素泊まり。日が沈み始めるととたんに震える寒さになってきたが、小屋の、しかも自分の布団のすぐ前に石油ストーブが!汗かいた服も乾くし暖かいし、やっぱ偉大やな〜。小屋泊をしていたのは自分の他にはもう1組だけ、会社の同僚で登山している人たちがいた。金峰山に翌日行くとのこと。

夕飯はアルファ米に適当なレトルトどんぶりを開けた。あんまりおいしくない...  アルファ米自体は少々値ははるが、軽いし食べた後は頑丈で密閉できるゴミ袋になるのでおすすめしたい。食後ストーブであたたまりながら今日の写真を見返したりしていると、さっきの社会人たちからお誘いを受けた。外でキムチ鍋をやっているらしい。自分はさっきの質の乏しい食事でお腹がいっぱいになっていたが、人のご好意は素直に受け取らねばと寒さを我慢して外に出た。キムチ鍋とビールがうまかったので満足!

キムチ鍋の大量のスープの処理を手伝わされもろもろがギリギリで小屋に戻ると、今度はUNOをしないかと言われた。自分は山でやるボードゲームは大好きである。だがむしろ大人たちの方が大はしゃぎしていた。会社に入っても同じ登山趣味の同僚がいて、夜酒盛りをし、たかだがUNOでも大いに盛り上がっているのをみると社会人も捨てたもんじゃないなと(若輩ながらに)感じた。ご飯をわけてもらい、こうした輪に混ぜてもらったことには非常に感謝しています。

いつ寝たかは覚えていないが、寝心地はよかった。

小屋内のようす

そうなんだ

...本当に?

2日目:富士見平小屋〜瑞牆山〜瑞牆山荘(下山)

2日目はコースタイムが3時間半なので、5時過ぎに起きた。朝ごはんはカレーメシ。胃が弱いので昨日キムチ鍋の汁は致命傷かと思ったがカレーメシをすんなり食べることができた。山に行くと身体が臨戦態勢になっているのだろうか。

6時に富士見平小屋を出発した。いい景色は昨日十分見たし、瑞牆は去年登ったしで行く必要あるか?ぐらいの気持ちで歩き始めた。ピストン装備なのもあいまってものの50分で山頂へ。雲は昨日よりはあったがそれでも快晴で、八ヶ岳がより間近に見える。同期たちは今頃ワイワイあそこに登っているんだろうか。絶対こっちきた方が楽しいのに。

7時前に山頂へ着くとウクレレで歌を歌っている日本語ペラペラの留学生と地元民の二人組がいた。よくわからんが、この付近に研究するものがあるらしい。地元の人はよく瑞牆山の北側(富士見平とは反対側)から入山しているそうだ。あんまり北側には人来ないんですよね、と言っていたので去年パーティー山行でそっちにいった話をすると、「ええー」とマスオさんみたいな声を出していた。

なんだかんだ1時間ほど山頂でのんびりしてから降り始めた。8時ぐらいになるとすれ違う人も多くなり、やはり金峰山よりも賑わっているように感じた。9時に富士見平小屋、そして9時半には瑞牆山荘へ着いて下山。バスまで1時間ほど待ったのでもう少し寝ていてもよかったなぁ。瑞牆山荘では美味しいココアをいただけた。

おつおつおつ

薪ストーブあったかい

下山後去年のようにラジウム温泉に行こうとしたらつぶれていたので、もっと下界側にあるクララ村というところの日帰り入浴を使った。ワイン風呂なるものをやっていた。
その後は友達に会いに甲府のさらに東の大月方面へ向かった。打ち上げはなぜか富士吉田のスシローになった。彼は都留市内へ通学しているのだが、寄るのに便利が悪いので甲府に引っ越してくれないだろうかと思っている。

一年越しに金峰山リベンジができ、しかも抜群の好天に恵まれ大満足です。2022後期藤間Party完全完成ですね。
去年参加して撤退した諸君も関係ない諸君も、ぜひ行くとよいですよ。行くなら11月がおすすめ。夏は暑い。