八丈太鼓とは

◇東京の南約290kmに位置する「ひょうたん型」の離島『八丈島』で演奏される郷土芸能の太鼓です。この太鼓は「八丈島へ島流しにされた武士(流人)が、腰に差していた二本の刀を二本のバチに置き換えて演奏した」ことに由来すると言われています。 八丈太鼓の特筆すべき点は、通常の和太鼓演奏では「一台の太鼓を縦向きに置き、1名(または何台かの合奏)で演奏する」ところを、「太鼓を横向きに置き、両側に1名ずつ、計2名で演奏する」という少々珍しい形態で演奏することです。演奏者は、客席からみて右側が下拍子、左側が上拍子と役割が分かれ、下拍子のリズムに合わせて上拍子が打ち込んでいきます。しかも上拍子は、「伝統的な打ち方」を基本とした上ではありますが、その演奏の殆どを「即興」で叩くという、他に類を見ない独自性を持っています。八丈島の人口が約8000人。もし島の全員が太鼓を叩けるとすれば8000通りの型があるということになります。世界一型の多い太鼓としてギネス世界記録に登録できるかもしれません。 また、八丈太鼓は島での生活に密着した太鼓でもあります。例えば、皆で集まるようなお茶会や宴で、場が盛り上がってくると「よし!太鼓でもはたこごん!」といっておもむろに演奏が始まり、その場に居る方々が気兼ねなく演奏してゆきます。老若男女を問わず皆で楽しむ太鼓が八丈太鼓です。 1972年八丈太鼓囃子が東京都の無形民俗文化財に指定され、郷土芸能としての地位を確立。 八丈太鼓に興味のある皆様。『八丈太鼓をはたきにおじゃれ(叩きにおいで)!』