《テーマ》
栗原の大地から酵母を採ってパンをつくろう!
栗原市内各所からサンプルを採取して酵母を培養。見つかった酵母でパン作りを行う産学連携のプロジェクトです。
《コラボレーション企業》
欧風菓子&石窯パン工房 PALETTE(有限会社パレット)
《参加大学生》
宮城大学食産業学群 金内誠教授のゼミ生(3年生~修士1年生)
酵母採取は4年生と修士1年生の7名が、酵母の培養・パン種づくりは3年生5名が担当。ゼミ内で複数の学生さんが関わって実施しました。
《開催日》
① 酵母採取:2022年9月28日
② 研究室での酵母培養・選別、パン種づくり、学生によるパン試作:2022年10月~2023年1月
③ (有)パレットとのパン作り検討、研究室でのパン種再仕込み:2023年2月~継続中
《実施概要》
① 酵母サンプル採取
金内ゼミの4年生と修士1年生の計7名が栗原市を訪れ、田んぼや地層、桃の木、桜の木など5つの場所からサンプルを採取しました。
② 酵母の培養・選別・パン種づくり
採取した検体から全部で140の酵母が見つかり、そのうち遺伝子検査により4つが食用に適した酵母であると分かりました。最終的に桜の木・桃の木から採れた3つの酵母が選抜されました。
選抜された酵母を使ってパン種をつくり、そこからパン作りが得意な学生さんが食パンを試作しました。
選抜された酵母
発酵中の酵母
学生が試作した角食パン
③ (有)パレットとのパン試作検討
酵母の培養・選別、パン種づくり、パン試作の報告会をオンラインで実施。栗原市民に愛される欧風菓子・石窯パン工房のお店(有)パレットの髙橋社長とパン種の仕込み方などについて意見交換をして、くりはら酵母パンの試作に向けて話し合いました。
<報告会の様子>
令和4年度に実施した宮城大学食産業学群金内ゼミの学生と有限会社パレットによる「くりはら酵母パン開発プロジェクト」。令和5年度も継続して取り組み、栗原市内の神社の桜の木から採取したサンプルで培養した酵母を用いて、パンの試作にチャレンジしました。
欧風菓子&石窯パン工房 PALETTE(有限会社パレット)の髙橋社長のご指導の下、パン種を作る際の砂糖やお湯の配合量や発酵温度帯を調整。11月には、宮城大学食産業学群 金内教授ゼミの4年生がパレットの工房を訪れて、髙橋社長と一緒にパン試作を行いました。
今回の試作では、パンが焼き上がったものの、酵母の働きが弱く発酵に長時間を要しました。商品化するには色々とハードルが高そうですが、今後も試作を継続していきます。
令和4年、5年度に取り組んだ本プロジェクトを、今年度からは宮城大学発酵サークルの学生さんたちとチャレンジしています。
2/7に発酵サークルの学生が栗原を訪れ、栗原の食文化や農業に理解を深めるためのフィールドワークと、有限会社パレットの髙橋社長と試作の進め方についての打ち合わせを行いました。
学生たちから農場見学や体験をしたいという希望をいただき、フィールドワークでは「発酵=菌」に関連する農業として、しいたけ農家の「ねほりばーらんど」、有限会社耕佑の舞茸生産現場を訪問しました。キノコでも種類や規模によって栽培方法が異なることなどを学びました。
パンの試作については、令和5年度に試作した際は、酵母の働きが弱く、発酵に時間がかかりすぎたりパンの膨らみが不十分など課題が残りましたが、今回、金内教授が酵母の活性を高める方法を見つけたため、その方法で元種を作り、発酵度合いや焼き上がりの状態を確認していきます。
4月以降、パレットさんと試作を進めていく予定です。
今後の展開をお楽しみに!
パレットさんとの試作に向けた打合せ
ねほりばーらんど見学・しいたけ収穫体験
耕佑・舞茸生産現場の見学