シンチレーターについて
放射線計測の手法は様々でありますが、代表的な手法のひとつにシンチレーターを用いた放射線計測法があげられます。シンチレーターとはα線やX・γ線等の放射線を可視光に変換する蛍光材料の一つです。シンチレーターが放出した光を光電子増倍管やフォトダイオード等の光検出器によって光を電気信号に変換することで放射線の検出が可能となります。シンチレーターを搭載した放射線検出器の応用先は多岐にわたり、レントゲン検査やX線CT検査をはじめとする医療分野や空港手荷物検査をはじめとするセキュリティ分野等の様々な分野で活用されております。
応用先によってシンチレーターの要求特性は様々であり、代表的な要求特性としては製造コストが低い、高い発光量(放射線のエネルギーに対して可視光へ変換する効率が高い)、高い透光性、非潮解性、高い放射線耐性、検出したい放射線の種類に応じた適切な実効原子番号を有している等があげられますが、上記すべての特性を有するシンチレーターは存在せず、応用先に応じた要求特性を有するシンチレーターの開発が求められております。