そうだ~よ~ あらそうだ~よ~よ~ほほほい
今年は 余がよい 豊年年だから よ~ほほほい
穂に穂が重なり 枡はまだいらぬで よ~ほほほい
箕でさで こら測ります 今年は世がよい よ~ほほほい
豊年年だから お伊勢また詣りに よ~ほほほい
どんどと参ります 遥かまた向こうに よ~ほほほい
箱棟見ゆるが あれこそまことの よ~ほほほい
下妻の出店に 間違いは ござらぬ よ~ほほほい
もしまた皆様よ うたぐりあるなら よ~ほほほい
町へとのぼりて 右のまた中ほどに よ~ほほほい
お伊勢屋と書いてある あれこそまことの よ~ほほほい
下妻の出店に まちがいは ござらぬ よ~ほほほい
てけなだよ~ほほい~
下妻2番
出店のよ~ 番頭さんよ よ~ほほほい
お店に掛けてある 白地に矢羽の よ~ほほほい
付ている手ぬぐいは ひとひーず切りては よ~ほほほい
おいくらとなります ひとひーず切りては よ~ほほほい
四銭と五厘だよ けれどまたお客さんよ よ~ほほほい
お好みとするなら お値段を割ります よ~ほほほい
四銭もの二銭に あなたのことなら よ~ほほほい
二銭ものをただでも あげたいけれども よ~ほほほい
義理とまた世間の 人前かねては よ~ほほほい
まんざらどうにも 出来ませぬ出来ませぬ よ~ほほほい
見ればまたお客さんは 踊りが上手なよーだ よ~ほほほい
踊りの一つも 踊ったことなら よ~ほほほい
人目を忍んで ふところ袂に よ~ほほほい
ちょくらちょいと 投げ込む よ~ほほほい
やります やります よ~ほほほい
てけなだよ~ほほい~
下妻3番
これをよー かぶりて よ~ほほほい
下妻の街道に 出店を つくるには よ~ほほほい
越後の大工さんと 讃岐の左官さんと よ~ほほほい
その他また大勢を 一度に頼んで よ~ほほほい
出店を出すには 一膳めし屋で よ~ほほほい
お女中を頼むには 下妻の お小夜ちゃんと よ~ほほほい
お花ちゃんと おせんちゃんと このやまた 三人は よ~ほほほい
名代のお洒落もので 銘仙の着物に よ~ほほほい
博多の帯を こからちゃんと しめて よ~ほほほい
緋ぢりめんのタスキで じょにゃくにゃ致せば よ~ほほほい
これを見た若い衆は こたえせぬ こたえせぬ よ~ほほほい
てけなだよ~ほほい~
追分(馬喰さん)
馬喰さんかいよーおおほい どこで夜が明けたよー
三十三坂よーおおほい 七つ目の茶屋だよー
箱根八里はよーおおほい 馬でも超すがよー
超すに越されぬよーおおほい あれさ大井川だよー
馬喰するせかよーおおほい 日酒が飲めるよー
馬喰やめたのにゃよーおおほい 日酒が飲めぬよー
揃った 揃ったよーおおほい 踊り子が揃ったよー
稲の出穂よりよーおおほい あれさ良く揃ったよー
あまり長いのはよーおおほい 一座が大儀よー
ほどの良いとこよーおおほい あれさうら止めるよー
数え歌
アラ正月とえー 承知で親たちゃさせたがる オヤ
させたがる 娘もしたがる針仕事 オヤ 針仕事
アラ二月とえー 逃げ出す女の子をとっ捕まえて オヤ
上に乗り 押さえてするのが大の灸 大の灸
アラ三月とえー さあさおいでと ごしんぞが オヤ
前広げ しっかと抱きつく乳飲み子を オヤ 乳飲み子を
アラ四月とえー しかけたところに人が来て オヤ
間が悪い お寺の本堂で生臭料理 生臭料理
アラ五月とえー 後家さまもしたがる 明け暮れに オヤ
明け暮れに させずにゃなるまい 寺参り 寺参り
アラ六月とえー 娘も年増もするときにぁ オヤ
目を細く 夢中でするのが 薄化粧 薄化粧
アラ七月とえー 静かに割れ目を指の先で オヤ
くじくるは あかぎれ膏薬 熊の膏 熊の膏
アラ八月とえー 初めはいくらか痛いけれど オヤ
痛いけれど だんだん良くなる しゃくの腫れ しゃくの腫れ
アラ九月とえー 黒い毛がもじゃもじゃとはい下がる オヤ
口をぱっくりと 開いているのが 般若面 般若面
アラ十月とえー じゅくじゅく 水気のさす穴を オヤ
突っつけば 中から出てくる カニの泡 カニの穴
アラ十一月とえー 入れると間もなく流します オヤ
流します 質屋に入れたる ぼろどてら 綿が出る
アラ十二月とえー 女房もしたがるエキセキト オヤ
エキセキト 旦那もしたがる 金儲け おめでたや
八木節
ああーああああー
平和双六 パラりと賽を 振れはうれしや 川越泊り
ここは絵の街 ご城下街よ 招く桜にみな誘われて
来たか喜多院 一重と八重が
ああーああああー
春の祭りは 久保町不動 吹くはそよ風 のぼりが揺れる
乙女心も またまた揺れる 青葉涼しい ご城下町に
寄せる人波 人気の波よ
ああーああああー
山車の太鼓が 緑の空へ ドンとはずめば 心もはずむ
祭り半纏 おしろいつけて 明日は氷川の大秋祭り
明日は氷川の大秋祭り
ああーああああー
川越名物 まだまだあるが 唄も踊りも練習不足
今後ますます練習つんで またの会う日を おん楽しみに
またの会う日を おん楽しみに
くどき (鈴木 主水)
花のお江戸のかたわらに さてもめずらし心中はなし
ところ四ツ谷の新宿町よ 紺の暖簾に桔梗の紋は
音に聞こえし橋本屋とて あまた女郎しゅのある祖の中で
おしょく女郎しゅの白糸こそは 歳は十九で当世育ち
愛嬌よければ皆人様が 我も我もと名指してあがる
わけてお客は何方と聞けば 春は花咲く青山辺の
鈴木主水と言うさむらいは 女房持ちにて二人の子供
二人子供のあるその中で 今日も明日もと女郎買いばかり
見るにみかねて女房のお安 ある日吾がツマ (夫)主水に向かい
これさ吾がツマ(夫)主水様よ わしが女房でやくのじゃないが
二人子供はだてには持たぬ 止めておくれよ女郎買いばかり
十九、二十歳の身じゃあるまいし 人に意見をする歳頃で
金のなる木は持たしゃんすまい どうせ切れるの六段目には
連れて逃げるか心中するか 二つ一つ思案と見える
それじゃ二人の子供がふびん 子供二人と私の身をば
末はどうする主水さまよ 言えば主水は腹立顔で
叔父の意見で止まないものが 何をこしゃくな女房の意見
己れが心で止まないものが 女房ぐらいの意見じゃ止まぬ
ぐちなそちより女郎しゅが可愛い
それがいやなら子供を連れてそちの里へと
出て行きやがれと
あいそずかしの主水の言葉 またも主水はこやけになりて
出て行くのは女郎買いすがた