写真は、久留米大学御井キャンパスの様子です。
本研究科は、九州の私立大学で最も古い歴史を持つ臨床心理士・公認心理師養成の拠点です。お陰様で、25周年を迎えることができ、400名を超える学生が大学院(博士・修士課程)を修了し、九州をはじめ日本各地で研究者や心理専門職として活躍しています。25年の歩みの中で培われた伝統を基盤に、2026年度より「入試制度の抜本的な見直し」を行い、次世代の心理専門職・研究者の育成を加速させます。
私たちは、単なるスキルの習得に留まらない、以下の2つの柱を教育の基盤としています。
科学者―実践家モデル (Scientist-Practitioner Model) :実証的な研究能力と、質の高い臨床実践能力を両立させます。
エビデンス・ベースド・アプローチ (Evidence-Based Approach) :客観的な根拠に基づいた介入と評価を行い、理論と実践を高度な水準で往還します。
臨床心理学専攻
教育の特徴・重点:実践訓練と研究活動の両立。地域社会と連携した豊富な実習。
目指す人材像:確かな理論と実践力を兼ね備え、様々な分野で活躍できる心理専門職。
人間行動科学専攻
教育の特徴・重点:高度な統計解析、実験・調査、アーカイブデータの二次分析。
目指す人材像:科学的な手法で人間の行動を解明する、鋭い洞察力を持った研究者・専門家。
大学院教育においては、地域社会と密接に連携した実習・実践の機会を充実させるとともに、心理学にとどまらず、社会学・教育学・医学など隣接領域を横断した学際的研究を推進しています。多角的な視点を取り入れることで、複雑化する現代社会の課題に対応できる力を養います。実践と研究を同時に高いレベルで維持することは容易ではありませんが、心理学研究および心理臨床実践において最も重要な基盤の一つは、「何を問うのか」「どのように検証するのか」という問いの質にあります。私たちは、このような確かな理論的基盤と実践的力量を兼ね備えた心理専門職・研究者こそが、これからの日本、ひいては国際的な場においても活躍できる人材であると考えています。
3. 【2026年4月〜】大学院入試の刷新と新制度
私たちは、長い歴史とこれまでの伝統を継承しつつも、新しいことに挑戦していく大学院教育でありたいと考えています。そうした意識のもと、新たな取組をいくつも実施している本研究科ですが、2026年4月以降、久留米大学大学院心理学研究科では、大学院入試のあり方を見直しました!これは本学研究科にとっても、九州の公認心理師養成大学院にとっても大きな転換点だと考えています。多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材を迎え入れるため、より柔軟かつ本質的な評価へと移行します。
1.「英語による小論文」を廃止!
本学大学院入試では、英語能力を直接測定する試験を廃止しました。ただし、これは大学院で英語が不要であることを意味するものではありません。実際、修士論文の作成においては、英語文献の読解が不可欠であり、英語力を引き続き重要な基盤的能力に位置づけています。
一方で、近年のAI技術の進展により、英語の読解や翻訳に関する環境は大きく変化しています。その結果、従来と比較して、英語能力(会話・読解・翻訳)の相対的な位置づけも変わりつつあります。こうした背景を踏まえ、本研究科では英語力そのものを直接評価するのではなく、心理専門職として修士課程で求められる他の中核的能力をより適切に測定・審査する方針へと転換しました。
また、本研究科の従来の入試における「小論文」は、英語で書かれた心理学文献を読解し、その内容を日本語で論述する形式であり、英語読解力、心理学的知識、文章表現力の3つの能力を同時に測定していました。しかし、これらの能力を一括して評価するのではなく、それぞれをより精度高く、多面的に評価することが望ましいと判断したことも、今回の見直しの重要な理由のひとつです。
なお、英語能力に自信のある方は、TOEFL、TOEIC、実用英語技能検定(英検)など、一般的に広く用いられている英語試験のスコアを出願時に提出することが可能です。これらは合否判定の参考資料として活用(加点)される場合があります。ただし、こうした試験の受験機会は、ご家庭の経済状況や居住地域によって差が生じ得ることを十分に考慮しており、スコアを提出しないことによって不利益(減点)が生じることは一切ありません。本研究科は、多様な背景を持つ志願者が、その資質や可能性に基づいて公正に評価される入試の実現を目指しています。
2.公認心理師試験に準拠した心理学とその周辺領域に対する知識を問う!
本専攻では、「英語による小論文」を廃止し、新たに「総合基礎科目」を設けました。本科目は、心理学全般に関する基礎的かつ体系的な理解を評価することを目的としており、いわゆる心理学検定キーワード集レベルの専門知識を幅広く問う内容となっています。出題範囲は、公認心理師国家資格試験における各出題分野を踏まえ、その中から適切に選定されます(入試科目変更について(前期博士課程)(PDF)参照)。
試験は、客観的な事実や知識の理解を測る選択式問題と、専門的知識をもとに論理的に説明する力を評価する論述式問題の双方によって構成されています。これにより、単なる知識量だけでなく、その理解の深さや応用力も含めて総合的に評価します。
心理学は多様な領域から成り立つ学問であるため、本科目では特定分野に偏らない幅広い知識が求められます。特に臨床心理学専攻を志望される方においても、臨床領域にとどまらず、基礎・応用を含む他分野への理解を深めておくことが重要です。
3.人間行動心理学専攻についても「小論文」を廃止し、「総合基礎科目」を採用!
人間行動心理学専攻についても、英語による「小論文」を廃止し、「総合基礎科目」に変更しました。公認心理師や臨床心理士資格取得を目指さず、研究を推進するコースです。当然特定分野に偏らない幅広い心理学や周辺分野、あるいは社会科学的知識が求められます。そのため、臨床心理学専攻と同様に「総合基礎科目」を活用します(入試科目変更について(前期博士課程)(PDF)参照)。
4.口述試験(面接試験)のあり方も変更!
特に臨床心理学専攻を志望される皆さんの多くは、将来、心理支援職として人に向き合う専門職に就くことを想定していると思います。近年、AIが私たちの生活や実務に深く組み込まれ、切り離すことのできない存在となってきました。だからこそ本専攻では、従来の口述試験の枠組みを見直し、知識や技能の確認にとどまらず、受験者が備えるべき「人間力」をより重視して評価する方針へと転換しました。
本専攻が重視する「人間力」とは、論理的に物事を捉え考え抜く思考力、柔軟に新たな視点を生み出す創造力、状況に応じて適切に意思決定を行う判断力に加え、他者と信頼関係を築くためのコミュニケーション力や協調性、リーダーシップ、誠実さといった対人関係能力を含みます。さらに、感情を適切に調整する力、責任感、ストレスに耐えながら専門的役割を果たす力、そして継続的に学び続ける高いモチベーションも不可欠な要素と捉えています。
これらの資質は、心理支援の現場において、単なる知識や技術以上に重要な基盤となるものです。本専攻では、そうした力を多面的に見極める入試を通じて、これからの時代に求められる心理専門職の育成を目指しています。なお、面接は、受験者数に応じて3人から6人の面接官で実施します。
以下のPDF資料も、ご確認ください。
2027年度入試アドミッション・ポリシー(PDF)
入試科目変更について(前期博士課程)(PDF)
入試科目変更について(後期博士課程)(PDF)