本年度の編集を担当します岩尾です。初めまして。
さて、試行錯誤を重ねてやっとの思いで完成したこの澪標春号だが、拙作の装丁はさておき、肝心の内容としては粒揃いなのではないかと感じている。
私がよくある文庫本のあとがきが大好きなこともあり、あとがき擬きのようなものをここに書こうかとも考えたが、どうも初めての編集後記ですべきことではないことのように感じたので、大人しく今回はまっとうに編集の話をしようと思う。
編集作業は、難解かつ不慣れな編集ソフトの操作感との格闘の日々であったといっても過言ではない。あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てれば全てが立たないというようなillustratorに対して謎のまとめサイトや前編集の助言の数々、スタイルブックの記述等を用いて渡り合ったのだ。勝敗に関しての記述を求めるのは勘弁してほしい。
とは書いたものの編集作業自体はわりに楽しく、苦痛に感じることはあまりなかった。デザインや絵等に関して、センスの皆無な私であるが、それでも素質が無いなりに出来ることが段々と増えていくというのは嬉しいものである。
また、装丁など部誌に欠かせないものを作成する役職として、それらに関わる期日等の調整作業も大変であった。次々と現れる問題と解決の期日、話せば流れるLINEでの報告、そして私の記憶力。結局タイムツリーというアプリ(数人で共有・書込み可能なカレンダーのようなもの)を幹部間で導入することで一応の対策としたが、これは部の問題としては応急処置を施したに過ぎないと感じている。後の世代に体系化されたスケジュール管理方法を残す為にも今から議論が必要であるだろう……。
最後に、作品を提出、そして校正してくれた部員達や直接的に助言を下さった先輩方、もちろんこれを読んでくれている皆様にも感謝を述べたい。この中の何が欠けても部誌の完成はありえなかったでしょう。本当にありがとうございます。
では、恐らくはまた新入生冊子『青嵐』で。ごきげんよう。
二〇二二年五月九日
岩尾勇弥