編集後記
編集後記
どうかしていた。
人間、皆、悪人では無いんだと考えているときに目の前を男が歩いてきた。私が避けてやろうと道路の内側へ動こうとしたちょうどその時、男が先に道を譲った。私は感激し、すれ違いざま、彼の肩を掴んで言った。「君は良い男だ!」彼は困惑気味に「ありがとうございます」と言った。満足した。歩幅大きく、鼻息荒くして帰路に着く。今日はやはりどうかしていた。
今回は全体の文字数が少なかったので、比較的作業は楽でした。新入生二人が作品を書いてくれたのも大変喜ばしい限りです。最後に著者、校正者、並びに読者諸賢らには感謝、ではなくここは一つ、小説好きの仲間として、とある作家の言葉をプレゼントしましょう。
「汝、なぜ、探すか。探さずにいられるほど、偉くないからだよ」
言ったのは誰であるか。しかしそれは問題ではない。ではまた。
二〇二四年七月二十日
編集 西田雄太