翠村美鈴
ネオンから遠く離れて
ほの明かりの下
誰もいないネイビーの中で
誰でもない私が灯る
こだまする足音と共に
ガードレールの傍らで歌おう
肺からあふれそうな夜風と共に
冷えたアスファルトの上を踊ろう
からみつく糸も
まとわりつく布も
全部取り払ってしまえ
正直でいたいのなら
乾いた空に
音のない笑い声を響かせた
私を見つめるのは
上弦の月だけでいい
<
目次
>