宮あさか
「さよならの鼓動」
会いたくてたまらなかったのに
言えなかった
かすかなムスクの香りに
顔をうずめる
それぞれの鼓動
もう溶け合うことはない
いつか
好きだったと
笑えたらいいね
「サイレントプロローグ」
眠るあなたの瞼に
青い血管がうっすらと透けていて
ただ見ていた
大切にしたいと
心が素直につぶやいて
思わずあなたの顔をそっと撫でた
これはもう、愛してしまっているなと
観念した瞬間だった
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