2024年3月に、京都府立大学 環境デザイン学科の荒木研究室・田淵研究室の教員・学生と合同で、七尾市の田鶴浜町という所に令和6年(2024年)能登半島地震の被災地の調査に参加しました。
七尾市は、ニュース等でよく取り上げられる珠洲市や輪島市と比べると、被害が少なかったように思われがちですが、我々が訪れた田鶴浜町では、1階が倒壊していたり、全壊している建物も随所に見られ、大きな被害が出ている地域でした。
調査では、町の各住戸を2・3人のチームを組んで周り、建物の被害状況の調査や、お話が聞けた場合には住民の方々の被災時・現在の避難や生活の状況をお伺いする生活環境調査を行いました。
関口は、研究方法の特性上、個々の対象には目を向けることは少なく、全体の傾向をすくい撮るような方法を良くとりますが、被災地を訪れて調査をして思ったのは、個々人・個々の状況にも、バランスよく目を向けて考えることが、地域課題の解決に向けては重要であるというコトでした。
現在は、調査結果を効率的に活用できるようにするための、建物被害の調査結果のデータベース整備を進めています。
被災された方々へ謹んでお見舞い申し上げますとともに、我々の調査結果が今後の地域の復興に役立てられるよう、微力ながら尽力したいと思います。
【以下、一緒に調査に参加した当研究室メンバーからの感想です】
・中村さん(B3)
今回の調査は、約2か月半経った被災地の現状を知る貴重な機会だと考え、参加しました。
参加して最も印象に残ったことは、被災した建物一軒一軒の中に人々の暮らしがあるということです。私は、建物の構造的な調査を担当しましたが、家具などの生活の跡が残されている場所や、今もそこで生活している方々のお話を見聞きする中で、建物と生活は直結していると改めて感じました。また、報道される場所以外にも被害があることや、「他と比べると小さな被害だから大変とは言えない」と話す住民の方もいたことから、一言に被災地と言っても、色々な被害と苦難があり、それぞれの現状を把握し、支えることが今後の復興のために必要だと感じました。
今回、建築に関わる一人として被災地の現状を知ったことは、建築が人々の命や生活を左右するものだと実感させられるとても良い機会になりました。この光景を念頭に置き続け、今後の大学での学習や研究、将来の仕事などに役立てたいです。
最後になりますが、調査にご協力いただきました、田鶴浜町の住民の皆様、関わった皆様に心よりお礼申し上げます。