2024年3月9日(土)に、飛騨市において地域の方々に参加いただく研究室主催のイベント、
「飛騨古川地域らしさ探し&カルタづくり2024春」を実施してきました!
このイベントは、フィールド調査用のスマートフォンアプリEpicollect5を用いて、スマホ片手にまちを歩いてもらって、「地域らしさ」を感じるまちの要素を撮影・質問項目や位置情報を記録してもらって、我々はそのデータを用いて研究を、参加者の皆さんにはまち歩きと午後のカルタづくり(午前に撮影した写真を利用します!)で、楽しみながらまちや地域と向き合って、新たな発見につなげてもらうイベントです。
2022年秋から、季節ごとに実施しているイベントで、後半のワークショップをカルタづくりにしたのは、これが2回目でした。参加者の方のまちへの想いやユーモアなどが込められた、様々に楽しめるカルタ札がイベントごとに数十枚たまっていくので、ゆくゆくは地域の方々に選定をしてもらい、地域に残る一つの形になれば、と思い続けています。
今回は、研究室のM1の森君、伊吹さん、またお隣の研究室の4回生の宮田さんにイベント運営のヘルプをお願いし、実施しました。また、いつもお世話になっている飛騨市の職員の方々、さらに山口大学の杉野先生が山口大学の学生さんを引き連れてやってきてくださり、充実の布陣。
念入りに準備をしていざ飛騨へ向かうと、当日は3月の吹雪・・・。
当初の予定を変更して、まち歩きの時間を短めにしたとは言え、参加者の皆さん、寒い中町に出て、写真を撮っていただきました。こんな天気だからこそ、屋外よりも屋内に見られる地域らしさを感じるまちの要素を多く撮影してくださったことは怪我の功名だったかな、と。
スケジュール変更に合わせて、急遽、昨年の飛騨古川のまちあるきイベントを題材にした田路君の卒業論文の内容報告も行いました(卒論本文も、飛彈市役所に献本してきました!)
午後は暖かい会場でカルタづくりを。午前に取った写真に読み札を付ける、という形式です。
常連さんもご新規さんも、午前のまちあるきで仲良くなったのか、わいわい相談しながらカルタ札を作成してもらいました。
最後は作ったカルタを張り出して、投票・表彰会。
こちらを楽しみにしてくださる方もいらっしゃるようで、作成段階から賞を狙いにきていらっしゃった方も。
最後に皆さんで記念撮影。
毎回、思ってもいない要素が写真に収められていたり、地域に長く住んでいるから、もしくは、その人のようなバックグラウンドを持つからこそ、まちの要素に感じ取れる想いが読み札に込められたりしていて、毎度勉強になるイベントです。
今後とも、地域の方々が少しでもまちを知り、好きになること、飛騨市にとっては観光資源に留まらないまちを元気にするための地域資源の発掘、などに役立てて頂ければと思いますし、この貴重なデータを使って、また新たな研究が始められれば、と思っています!
【以下、お手伝いいただいた弊学スタッフからの感想コメントです!】
・伊吹さん(M1)
初めて飛騨古川を訪れましたが、街歩きをしていて、木造建築が多く景観の統一された街路がある一方、昔ながらのスナックや居酒屋なども多くみられ、どこか懐かしさを感じさせる町だなと感じました。木造建築については、京都と違い間口の広く、軒高の高い建物や土蔵が多くあるのが興味深かったです。また、少し歩くと川や山がすぐ近くにあり、自然豊かな過ごしやすい場所だとも感じました。
ワークショップでは地元の方が多く来られていた一方で、意外だったのは大学生の方の参加でした。私の担当したグループでは、大阪から来られた大学生の方が2人もおり、関係人口に関する研究をしているとのことで、その参考にこのワークショップに参加したとおっしゃっていました。また名古屋からいらっしゃった方や移住してきた方もいらっしゃり、職種も年齢も違う人から様々な話を聞けたのは自分にとってとても良い刺激になりました。飲み会の席でも沖野さんや釣振興会の方など、様々な職種の人が縁あって飛騨古川に集まり、敬意をもって都竹市長と対等にお話していらっしゃるのをみて、そういう関係を自然に築けている皆さんが素敵だと思いました。
飛騨の魅力について様々な人の視点から知ることができ、かつ多くの人と交流を持てた今回のワークショップは私にとって大変貴重な経験となりました。また機会があれば参加したいです。本当に有難うございました。
・森くん(M1)
ワークショップに参加し、第一印象として、まちあるきイベントへの参加意欲が非常に高いと感じた。自身が担当したグループの方々は、飛騨に在住の方から、金沢や愛知県豊橋などの周辺地域の方々、千葉在住の方まで、多くの地域から参加されていた。6名中4名がリピート参加の方であり、初めて参加されたご夫婦も参加者からのお誘いであったなど、これまで参加したというつながりや、参加者が広げていくことによるつながりなど、参加の輪の継続・広がりを実感した。その上で、まちあるきで撮った写真を共有している際にも、「そういう写真もあるんだ!」や「その場所いいね!」など、新たな発見や共感が共有されていた。そのような共有がワークショップで目指される部分であり、実際にまちに対して感じたことを話し、人々の意見として広がっていくものであると感じた。地域の方々は条例なくとも景観を保全する意識を持ち、来訪者もまちへの興味を持っている飛騨のまちの魅力をイベントも経て知る機会となった。
・宮田さん(B4、他研究室からヘルプいただきました!)
ワークショップ前日に街歩きをして、町家の高さが京都に比べて高い印象を受けました。また、道幅も広いことから、ゆったりとした景観だと感じた。特に印象に残ったのは、三嶋和ろうそく店で、七代目が和ろうそくの作り方や「和ろうそく」と「洋ろうそく」の違い等丁寧に教えてくださった。また、雪が降る地域であることから、道路の真ん中に雪を融かすための装置がある、護岸には川に雪を落とすためと思われる扉がついている等、地域ならではのインフラ装置が見られたことも街歩きで楽しい点であった。
ワークショップでは、大学生から80代の方まで幅広い年齢層、また出身地域も様々な参加者がいることに驚いた。同じように町を歩いても、写真はバラバラで着目する点は人それぞれであることが興味深かった。一方で、三嶋和ろうそく店を取り上げる人が多かったように、共通して地域らしさを感じるポイントもあることが分かった。一番驚いた点は、実際の古くからの街並みは細い路地だったことである。私は広い道が地域らしさだと感じていたので、地域らしいと感じたものが必ずしも古くからあるものではないことに気が付いた。