香害の根本的な解決のためは、原因となる成分の規制とともに、社会の承認と理解を広く得ることが欠かせません。そしてこの実現のためには、政府に積極的に取り組んでいただく必要があると考えます。
この署名キャンペーンでは、香害の根本的な解決を目的として、以下の要望事項3点の実現を政府に求めていきます。
省庁に提出の要望書はこちら (2021年4月)
※参考資料①②③は「被害を訴える生の声」のページに掲載しております。
※参考資料④は「空気ににおいをつけないで」ブログ、参考資料⑤は「無香料生活」ブログの各運営者の方よりご提供いただきました。
香害で健康被害を訴える人がどんどん増え、「移香」による香害被害が深刻化している今の社会状況。
これには、マイクロカプセル化された香料が日用品に配合されていることが大きく関わっています。洗剤・柔軟剤・芳香剤などの日用品に香料マイクロカプセルが使用されると、個人の使用範囲、共通の空間まで汚染することになってしまうのです。現在は、空気も食べ物も汚染され、被害を感じている人がその物質を避けることが出来ないばかりか、新たな被害者の発生を防ぐことすらできない状況です。
こういった社会状況を変えるために、日用品への香料マイクロカプセルの使用中止を要望します。
因果関係の解明を待っている余裕はありません。予防原則に則った、早急で人道的な対処を望みます。
また、環境の観点からの樹脂製マイクロカプセル・ナノカプセルの規制だけでは意味がありません。香害被害者として、全ての素材の香料マイクロカプセルについての対応を求めます。
合成香料や樹脂製マイクロカプセルの素材が健康や環境にどのような悪影響をもたらすか、現在さまざまな分野からの研究報告はありますが、国が認めている有効なものはほとんどありません。また、被害を訴える声があることを認識しつつも、香害被害の実態調査さえ正式に行われていないのが現状です。
香害を積極的に取り組むべき社会問題と捉え、早急で積極的な研究・調査に着手していただくことを要望します。
香害が香りの好みの問題ではなく、物質の危険性の問題であることを明確にしていただきたいです。
その研究には相当の時間と技術が必要とされ、今の科学では解明できない点も多いのかも知れません。ただ、少しでも解明されれば、化学物質過敏症やアレルギーを始め、難病や現代病といわれる多くの疾患に新たな光が差し込むことは間違いないでしょう。
香害被害者は学校や仕事に行き、街を歩き、買い物をし、友人と食事をする…そんな当たり前のことすらできずに苦しむ、理不尽な状況にあります。これは、周囲から理解を得ることが難しいのが理由のひとつです。
また、今の日本では、香害の原因となる製品が何の規制も注意喚起もなく販売されており、知るべき情報が消費者に届いていない状況です。これは、香害被害の拡大と新たな被害者の発生に繋がってしまいます。
その解決のためには、社会全体に香害の認知が広がることが必要不可欠です。
同時に「一部の被害者だけの問題」ではなく、「安全基準が広く求められている新しい社会問題」という認識が広がらなければなりません。
現在「香料自粛」に乗り出している自治体は多くあります。ただ、断片的では根本的な解決になりません。公共の場所での「香料自粛」意識の定着に向けて、国として一貫した政策を提示し、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
また、消費者に対しては「香料製品使用時の注意喚起」を確実に伝わる方法で行い、自らの健康を守るために一人一人の意識が向上するよう啓発に取り組んでいただくことを求めます。