植物はなぜ二次代謝産物を作るのか?

空間的代謝制御の理解から植物の機能を知る!

植物二次代謝産物(アルカロイド、フラボノイド、テルペノイドなど)は様々な組織・細胞で生合成され、組織・細胞内に留まるもの、はたまた排出されるものもいます。それらの代謝物が植物の中や外でどのような機能をしているのか、未だに機能のわかっている二次代謝産物はほんの一握りです。

我々の研究室では、植物がどうやって二次代謝産物を作っているかを空間的に理解し、そこから合成・蓄積・排出される代謝物の役割を推測し、それらの機能の解明に努めます。

やらなければいけないことは山積みですが、、、2022年からぼちぼちスタートしています。

一細胞メタボロミクスの手法を使って、植物異形細胞に蓄積されている代謝物を同定して、異形細胞を分類していきます(アルカロイド細胞など)。

Yamamoto et al., 2016 PNAS.

Yamamoto et al., 2019 New Phytol.

2. 空間的な代謝制御機構の解明

興味深いことに植物のアルカロイド代謝などでは、細胞間や組織間を移行した生合成が行われています。これらの代謝物は特異的な部位に蓄積されたりもします。その仕組みとなぜそのようにしなければいけないのかを解き明かしたいと思っています。

Yamamoto et al., 2021 Plant physiol.

3. 日本原産の薬用植物に着目した代謝研究

これまで薬用植物としても知られるマダガスカル原産のニチニチソウを用いて主な研究をしてきました。このニチニチソウに限らず、植物は生理活性をもつ可能性が高い化合物をたくさん生合成しています。

しかし、なぜ植物がこのような生理活性を持つ代謝物をもつのかということを調べるのには、実際に植物が生きている場所で植物の生活を観察しないとわからないと考えています。そこで日本原産の薬用植物や有用代謝物を作る植物の二次代謝に着目した研究を始めています。

4. 新規代謝物分析方法の開発

新たな測定技術の開発は、我々にこれまでと違った生物の知見を与えてくれます。そのことから、新たな代謝物の測定方法を作ることは、非常に重要です。

現在、細胞・組織から微量かつリアルタイムに排出される化合物の測定方法の開発に着手しています。