ご挨拶

 本日はお忙しい中、本セミナーへお越しいただきありがとうございます。

 冒頭ではございますがこの4年間以上もの間、世界を翻弄し続けた新型コロナウイルスもようやく落ち着いてまいりました。感染症法上の5類に分類されてから早1年以上が経過し、日常生活ではコロナウイルス前の賑わいが戻ってきていますが、医療関係者としてはまだまだ油断できない日々が続いております。その影響を受け、本セミナーの開催も5年ぶりとなります。本日がこのセミナーの新たなスタートとなることを願っております。

 さてこのセミナーは信州I C Uセミナーの名称で始まりました。第1回が1985年信州大学にて開催され、I C U看護セミナーという名称でも呼ばれたように重症患者をケアする看護師のレベルアップが主な目的のセミナーであったと聞いております。1996年第12回からは山梨県からの参加が始まり信州から甲信へと輪が広がりました。第22回には現在の甲信救急集中治療セミナーという名称になりました。当院での開催は今回で3回目となります。前回は2009年第25回で、実に15年ぶりとなりました。

 今回の第38回甲信救急集中治療セミナーですが、テーマを地域の中の『救急医療と集中治療』・・・働き方改革をうけてとしました。大きなテーマではありますが、皆様のおかげで30近い演題が集まりました。例年同様に看護師からの発表が最も多くなりましたが、救急隊員からも6演題いただき、うち5演題は病院所属の救命士からでした。それ以外の職種からの発表も複数あり、まさに多職種によるセミナーとなりました。内容的にも貴重な症例から院内急変対応、せん妄、A C P、プレホスピタルでの対応など多岐にわたったものとなっています。特別公演は当センターの重症患者対応メディエーターである日向美佐江看護師より「救急搬送から始まるこれからの救急集中治療」という題でご講演をいただくこととなりました。経験豊富で患者家族に寄り添った日向さんのご講演をお楽しみください。

 最後になりますが、5年ぶりのこのセミナーで甲信地域の連携の絆が強まり、明日からの皆様に何らかの形でのお役に立つことができれば幸いです。最後までよろしくお願いいたします。

長野県厚生農業協同組合連合会

佐久総合病院佐久医療センター

副院長  岡田 邦彦