受験勉強
受験勉強
研究生になる前に
2015年、日本に留学しているうちに、日本語教育に興味を持ち始めました。たまたま、日本の大学院で日本語教育を専攻している知人がいて、色々聞きました。中国に帰る前に、知人がすすめてくれた日本語教育に関するテキストを何冊か入手しました。
3年生のとき、経験を積むために、地元の日本語学校で非常勤講師としてアルバイトを始めました。4年生の前期、授業の傍テキストを二冊読みました。あまりにも漠然ですが、取りあえず、研究生として進学できる大学院を探しました。個人の理由のため、できるだけ首都圏に絞りたかったです。友人がお茶大をすすめてくれました。お茶大に決めてから、学部の卒論を書きながら、研究計画書を書きました。
10月研究生としてお茶大に入ることができました。渡日前、同じゼミの先輩から参考書リストをいただいて、中国で入手できる本を何冊を読み始めました。当時は特に勉強法はありませんでした。ただひたすら参考書を読んでいました。わからない用語がいっぱい出てきて、文字は読めても内容は理解できませんでした。今はわからなくても、いつかわかるようになると信じて勉強しました。
受験勉強
10月から、授業とゼミに参加しながら、受験勉強をしました。お茶大の入試は記述問題と用語説明があります。記述問題は3問を選んで書いて、用語説明は5問を選んで書くというようになっています。入試問題は各先生の研究分野の内容に関する問題なので、見れば大体どの先生からの質問がわかります。最初は、加賀美先生、西川先生、加納先生の記述問題を準備しました。主な参考書は『多文化共生論—多様性理解のためのヒントとレッスン—』、『日本語を教えるための第二言語習得論入門』、『日本語教師のための新しい言語習得概論』、『バイリンガル教育と第二言語習得』です。この中の何冊が授業の教科書として使われていたので、12月までは授業のペースに沿って一通り精読しました。
1月に、過去問を解いて、本気に筆記試験を準備しました。
用語説明は簡潔にまとめる必要があるので、中心的な概念を正しく捉えなければなりません。参考書の最後の用語リストは大変助かりました。ほぼすべての用語をノートに整理し、自分の辞書を作りました。地味な作業ですが、受験直前の復習にも役に立ちました。
記述問題も同じ、参考書の内容を章ごとにノートにまとめました。質問を予想しながら、重要そうな内容から暗記しました。
試験当日
用語説明から書きました。まずは自信のある用語を選んで書いて、そして、なんとなく覚えているようなものを書きました。記述問題は書く量が多いので、用語説明に時間がかかり過ぎないように注意したほうが良いと思います。また、会場には時計がないので、腕時計が必要です。
記述問題はまず加納先生の質問を書きました。ノートに整理した内容なので、多分正しい答えが書けたと思います。そして、西川先生の質問ですが、予想した質問と全然違って、一瞬緊張しましたが、一応ノートにまとめたので、覚えている内容を全部書きました。最後は加賀美先生の質問ですが、全然準備していない内容の質問なので、その場で諦めて、本林先生の質問をできるだけ書きました。草稿用紙があるので、回答用紙に書く前、草稿用紙でアウトラインでも書いたほうが良いと思います。アウトラインで自分の考えを整理して回答することをすすめます。
その他
・英語が大事です。日本語教育コースですが、英語の論文を読む必要があります。今は英語と悪戦苦闘の毎日です。
・先行研究が大事です。早めに先行研究を精読して研究テーマを絞ることをすすめます。
参考書
・佐々木泰子編『ベーシック日本語教育』ひつじ書房(日本語教育全般について紹介している本です。)
・高見澤孟『新・はじめての日本語教育』アスク出版(このシリーズは三冊があって、入門書として分かりやすいと思います。基本用語事典の一冊が用語説明の問題にも役に立ちました。)
・姫野伴子・小森和子・柳澤絵美『日本語教育入門』研究社
・迫田久美子『日本語教育生かす第二言語習得研究』アルク
・小柳かおる『日本語教師のための新しい言語習得論』スリーエーネットワーク(第二言語習得の記述問題に重要な本です。)
・大関浩美『日本語を教えるための第二言語習得論入門』くろしお出版(授業の教科書です。分かりやすいと思います。)
・加賀美常美代『多文化共生論—多様性理解のためのヒントとレッスン—』(多文化共生の記述問題に重要な本で、授業の教科書です。)
・コリン・ベーカー(著)岡秀夫(訳)『バイリンガル教育と第二言語習得』大修館書店(バイリンガル教育の記述問題に重要な本で、授業の教科書です。)
・中島和子『バイリンガル教育の方法—12歳までに親と教師ができること—』アルク
・細川英雄『研究計画書デザイン—大学院入試から修士論文完成まで—』東京図書