『海のめぐみたっぷりなお米』とは?
「うちのかつおとまぐろは米で食うのがいちばんうまい!」
山福水産㈱社長見崎のこの一言から始まった米づくり。
栄養たっぷりなかつおやまぐろの未利用部位を正しい価値で有効利用したい。長年感じていたこの課題の解決先は、水産業と対極にあると思われがちな農業でした。
魚カス肥料で行う農業はよく聞きますが、自分たちでやることで本当の価値を最大限に生かし、広く伝えることができること、海洋環境の現実に少しでも目を向けてもらえたら嬉しいです。
海洋環境の悪化とともに変化する海洋資源
地球環境の悪化は陸上の問題だけではありません。海洋環境も随分と変化し、私たちの取り扱う「かつお」の漁にも影響が出ております。今までなら、「この時期ならここの漁場に行けばかつおがいる」という過去のデータをもとに漁を行うそうですが、近年では海水面温度の上昇など様々な要因によりかつおの生息域が変化し、予測が立てづらくなっているそうです。環境の変化だけが要因とは断言できませんが、乱獲なども加わりそもそもの量が減っているようです。
※現在では資源保護のための乱獲防止措置がなされています。
そんな貴重な海や海の資源を大切にすること、守ることも私たちの役割だと考えます。
大切な海の恵みを循環させよう
かつおやまぐろは1尾に対して実際に市場に回る可食部位は40%ほど。残りは不可食部(頭・尾・骨など)として、飼料や肥料の原料になります。しかし、その価値は可食部位の半分以下。栄養たっぷりなかつおとまぐろの価値を落とさずに有効利用するには、自分たちが最後まで正しい価値のまま循環させていくことが重要です。
また、肥料となり農地に溶け込み、流れ出た成分は環境に悪影響を及ぼすこともなく、自然の恵みとしてまた海へと還っていきます。海から山へ、山から海へと恵みの循環をさせ環境保全への貢献につながる結果ともなりました。
水産加工歴20年のかつお職人が農家へと転身!
農業を始めるにあたり、社内にはだれ一人として経験者がいませんでした。そこで、当時現場課長を務めていた小長谷を抜擢、「淳ちゃんやってみねえか?」と社長からの一言。
仕事が丁寧で職人気質な小長谷は、地元焼津の農家さんに1年間弟子入りし米づくりについてみっちり学びました。自身でも研究を怠らず一日でも早く、おいしいお米をつくる農家になるためにまっしぐらに取り組みました。
そして、お米のおいしさを最大限に引き出すために、こめふく店長にも就任!