土の柔らかさ、足から伝わる感触、少し湿った匂い、走り回る虫たち…五感をめいっぱい使って、たくさんの情報を手に入れます。
土に触れたり、草の匂いを嗅いだりする体験は、「感覚遊び」と同じく子どもたちの好奇心や創造力を育み、脳の発達を促す上で重要な役割を果たします。
また、畑では土づくりから種まき、育成、収穫まで1年を通して経験します。
耕すときの力の入れ方、草むしりのときの指先の使い方、隠れた虫を見つけるときの目の動かし方等を学び、実践することで、自然と身体をコントロールする力を身に着けることを目指します。
「認知・行動」とは、子どもたちがどのように情報を理解し、考え、計画し、適切な行動をとるか、ということです。
物の機能や属性、形、色、大きさ、数、時間などの概念を、同じ自然体験でも目的を工夫することで、楽しみながら学んでいくことができます。
上手に野菜を育てることができたとき、大切に育てていた野菜が枯れてしまったとき、それぞれで振り返り「次はこうしてみよう」と行動を変化させることで、物事のつながりを知っていくことができます。
また、自然という「どうしようもないこと」と向き合いながら、感情のコントロールや表現の仕方も学びます。
言葉の意味を理解したり、自分の考えを言葉で表現したり、相手の言葉を聞いて理解したり、また、言葉以外の手段を使ってコミュニケーションを図ることを学びます。
飛んできた虫に「わっ!」と驚く。川に入って「冷たい!」と叫ぶ。まずはそんな一言からで大丈夫です。伝えることが好きなら野菜の栽培方法や調理方法を調べ、他の人に共有することで、その力を伸ばすことができます。
ふくろうには言語聴覚士が在籍しています。ご本人の「やりたい!」をベースに、専門職の視点からアプローチします。
自然の中では協力することで上手くいくことがたくさんあります。
土を耕すのがうまい人、虫を見つけるのが得意な人…コツを聞いたり、代わりにやってもらったりすることもたくさん出てきます。自分が気づいていない特技が見つかり、大活躍する場面もあるかもしれません。
ひとり一人の得意を活かし、支えあいながら人間関係や社会性を身に着けます。
植物のお世話には、水やりなど必要なことがたくさんあります。
「自分が育てている」という責任感や、「成長を見るのが楽しい」という達成感により、活動への参加を促し、生活リズム獲得のきっかけになります。
自分が育てた野菜なら、苦手なものもおいしく食べれるかもしれません。「美味しい」と食べてくれる人がいることで、自己肯定感の向上につながります。
健康的な生活のベースとなる食育にも結び付いていきます。