免疫舌下療法
(花粉症治療)
について
今までは花粉症の治療は抗アレルギー薬により症状を抑えていました。「舌下免疫療法」とは、体質を変えてアレルギー体質を治す、または軽くする、という新しい治療法になります。スギやダニのエキスを舌下から少量ずつ毎日投与して、体をアレルゲンに慣らすという治療法です。(保険がききます。)
舌下免疫療法では8割の方に効果があり、そのうち2割が治癒、残り6割が「治癒はしないけれども効果はあった」との報告があります。つまり、スギ花粉症による睡眠障害やイライラ感、集中力の低下といった生活の質(QOL)を改善させる効果が認められ薬の使用量も減らすことができた、という結果でした。小児に対する効果も成人と同等であるとされています。
スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と採血にて確定診断された患者さんのみが治療を受けることができます。
(細い針による採血や、指の先からの採血にて20分で確定診断できます。当院では小学生で自分から頑張って腕を出せる方、〜65歳の方が受けられます。)
1日1回、舌の裏にお薬を置くように投与し、1分待ってから飲み込みます。その後5分間はうがい・飲食を控えます。お薬を内服する前後の2時間程度は激しい運動、入浴を避けましょう。(初回投与のみ院内にて30分様子を見させていただきます。2日目からはご自宅で服用します。)
3~5年間にわたり毎日服用します。服用中は定期的な診察のため、当院では1か月に1回受診していただきます。
(なお、スギに対する舌下免疫療法はスギ花粉の飛散時期には治療を開始しません。従って、5月から12月の間に開始する必要があります。)
口の中の浮腫、腫れ、かゆみ、不快感、異常感
唇の腫れ
喉(のど)の刺激感、不快感
耳のかゆみ
ショック
アナフィラキシー※
※アナフィラキシー
医薬品などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、蕁麻疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)がみられる
下記の方は出来ません。
検査などでスギやダニアレルギーと診断されていない方
重症の喘息を合併している方
自己免疫疾患や免疫不全症などの方、悪性腫瘍の方
ステロイド薬や免疫抑制剤を使用している方
ベータブロッカー、三環系抗うつ薬、MAO阻害剤を服用中の方
舌下療法開始の時期は5月から12月の間のみです。
アレルギー検査ができるのは、小学生以上で自分から頑張って腕を出せる方〜65才まで