ベアルファレス

後世の歴史家から「黄昏の時代」と呼ばれる一時代。時の二大国、アスロイト王国とバイレステ共和国の国境線を大地震が襲った。震災の跡地で発見された鈍い光を放つ奇妙な石……。ケガや病気を癒す光を放つその石は、まさに神話や伝説に描かれている不老不死の至宝「アザレの石」そのものであった。 噂を聞きつけた二大国の指導者は、すぐさま発掘を命じた。国力を挙げての発掘によって、伝説の太陽帝国の首都アスラ・ファエルが姿を現した。 太陽帝国の遺跡は尽きることのない泉のごとく、二大国に富を与え続けるかに見えたが、しかしある日突如として遺跡に魔物達が出現する。かつて誰も見たことのなき異形の生物は、派遣された二大国の軍隊をも壊滅、長い平和に慣れすぎた二大国の指導者はこれに怯え、遺跡の入り口を分厚い城壁で取り囲み封印した。数年後。遺跡を囲む城壁の中に小さな町ができていた。 魔物の恐怖が人々の記憶の中に鮮明に残っているにもかかわらず、魔物が徘徊する地下遺跡を目指す冒険者は絶えなかったのだ。ある者は富と名声のため。ある者は不老不死の至宝「アザレの石」のため。地下遺跡は、魔物と冒険者よ戦いの場となり、そしてまた、何かに導かれるかのごとく、若者たちが伝説の都市へ向かう。それぞれの思惑を胸に秘めて……。

登場人物