ECHO NIGHT
1937年、アメリカ。
その日、リチャード・オズモンドのもとに届けられた封筒はあまりにも奇妙なものだった。
差出人として彼の父の名が記されたその封筒の中には、見覚えのない小さな鍵が入っていただけだった。
手紙の類は一切無く、それが何を意味するものなのか、彼には全く思い当たるところがなかった。
思い悩んでいた彼は、電話の鳴る音ではっと我に返った。
電話の向こうの声は警察を名乗り、父親の家が火事にあったことを告げた。
驚いた彼はあわてて身支度をすると、自らの故郷へと向かった。
その旅立ちが、後の奇妙な大変の始まりになることに、その時の彼は気付くはずもなかった・・・。
登場人物
主人公…リチャード・オズモンド
主人公の父…
大富豪の老人…ウィリアム・ロックウェル
老人が連れていた幼女…
設定資料(説明書より)
オルフェウス号の遭難
1913年、大西洋上で発生した客船事故。大富豪ロックウェル家の持ち船であったオルフェウス号には一族及びその招待客のみが乗船していた。行方不明となった原因は結局解明されず、一年後、乗船者の全員の死亡という形で処理された。客船オルフェウス号
大富豪ロックウェル家当主、ウィリアム・ロックウェルによって建造された一族せんようの客船。完全なプライベート湿布であり、乗船が許されたのはロックウェルの一族とごく僅かな招待客のみであった、当時のいわゆる大型客船に比べ、規模の面では遠く及ばないものの、設備や構造面での優秀さは、何ら劣るところはないと言われた。当時流行であった大西洋横断クラスの航海にも十分耐えうる航海性能をもっており、内装に関してはオーナーであるウィリアムの以降が大きく反映された、豪華な作りになっている。ロックウェル家
アメリカ有数の資産を持つ大富豪。先祖はヨーロッパ貴族の家柄だったが没落し、19世紀初頭にアメリカへと移住した。移民であったロックウェル家が今日の財を築いた契機となったのは、財閥の創設者であり、現在も当主として君臨するウィリアムが若かりし頃に発見した大金脈である。莫大な資金源を手に入れたロックウェル一族は、あらゆる分野の産業に次々と着手、その全てにおいて大成功を納めた。20世紀に入り、ロックウェル家は財閥としての確固たる地位を築き上げ、政財界にも多大な影響力を持つ名門の一つとして、その名を広く知られた。ウィリアム・ロックウェル
ロックウェル財閥の創設者にして、現在もその頂点に君臨する男。一代にして現在の富を築きあげた豪腕ぶりもさることながら、その厳格な人柄から年老いた現在でも周囲から怖れられている。彼が財を成した背景には、何か重大な秘密があるらしいのだが、その真相を知るものは誰一人いない。