ワインの保管方法

知っておきたいワイン保管方法

夏場の運送会社の車中は35℃をゆうに越えると思われますので、弊社でも夏に発売するワインはクール宅急便にてお送りさせて頂いておりますが、「常時、冷蔵庫保存してください。」という意味ではございません。保管方法は下記をご参考にされてみてください。

家庭でのワインの保管方法はどうすれば良いの? とお困りの方も多いと思います。

「ワインの保管方法としてベストなのはワインセラーなので、ワインセラーを買って保管してください。」と言ってしまえば簡単です。

しかし、ワインセラーはワインが入る本数にもよりますが、数万円~数十万円する高価なものですし、簡単に購入するのは難しいかもしれません。(ただし、ワインの入る本数が少なくて良いのなら、わりとお手頃価格の家庭用ワインセラーも最近は出回っています)

そこで完ぺきではありませんが、家庭での出来る限りの保存方法をお伝えさせて頂きます。

まずワインの保管場所として理想的な条件は温度10~15℃、湿度65~80%、日光や蛍光灯の光が入らないこと、振動・においが無いことなどです。ワインセラーは上記の条件を満たすように設計されています。

理想は上記のとおりですが、私の経験や知り合いのソムリエさん、酒屋さんの経験談なども参考に判断すると日光はワインにとって絶対に良くありませんが、温度と湿度についてはそれほど神経質にならなくても良いという見解です。

温度と湿度がどれくらいまで大丈夫かというとその条件に保管される日数で大きく違いますし、後述しますが、若いワインと古いワイン、あるいは使われているブドウ品種でも違いますので正直申し上げまして確実に言える正しい答えはありません。

しかし、ワインの温度が8~25℃であれば多くの場合、問題はありません。

また日の中の数時間だけ30℃であってもそれが1週間程度なら、年代物の古いワインや自然派ワインを除き、多くの場合それほどの影響は無いと思います(ただし35℃以上は短時間でも劣化する可能性があります)。また極端に低い湿度で長期間(ヶ月以上)保管しなければ湿度も問題になることはあまりないと考えます。

それらを考慮し、家の中で理想に近い場所はどこでしょうか? 地下室や土蔵をお持ちのご家庭ならそれらを利用するのが一番良いでしょう。

しかし、ほとんどの方はそれらを持っていないと思われます。次に近い場所として台所にある床下収納などもかなり良いでしょう。

それも無い方は温度が上がりにくい1階で北向きの部屋の押入れや収納庫などの下のほうにワインを新聞紙に包み、さらにダンボール箱に入れて保管すると温度変化を最小限に抑えられて良いでしょう。

部屋が30℃になってもワインはなかなかそこまで温度が上がらないはずです。

階や南向きの部屋は常に温度が上がりやすく不向きです。しかし、都心のアパートなどにお住まいの方などは夏場、部屋がほぼ一日中30℃以上になるとおっしゃる方もいると思います。その場合は夏場だけ冷蔵庫の野菜室で保管するのが良いでしょう。

ただし、冷蔵庫は温度が低すぎ、乾燥し、振動も多少あるため夏場だけに留め、暑さが過ぎたら押入れ等に移す方が良いと思われます。

いずれの場合も必ず守って頂きたいのは、保管の際にボトルを横に寝かせてください。このことでコルク栓がワインと触れ膨張し、空気の進入を防いでくれます。空気の進入があるとワインの酸化につながり品質を落とします。

先に少しふれましたがワインの種類により温度への強さも違い、若いワイン、あるいは渋みが強いしっかりとした赤ワインほど高い温度に強く、古いワイン(目安として造られた年から年以上経過したもの)やアロマテックな白ワインほど高温により劣化しやすい傾向があります。

そのあたりも考慮し、今後のワインの保管にお役立て頂けましたらと思います。

いろいろと書きましたが、すべてのワインに必ず当てはまるものでもなくあくまで目安としてお考えください。