参加者からの感想

どの感想も、当然ながら、あくまで個人が感じたり思ったりしていることです。感じ方はひとそれぞれですので、共感・同感だけでなく疑問をお持ちになることも自然のことでしょう。

講師の話は、長きにわたる経験から培われた信念に基づく方針、アドバイスであり、必ずしも絶対であると思う必要はなく、1ヒントとして参考になさっていただければと思います。

私たちは、自分のケースにぴったりくる考えや方法を見極める力をつけていくことが必要なのでしょう。そのために学習会・茶話会をご利用いただけたら何よりです。

この考えだけは納得いかない。逆効果の場合もあるのでは。という思いも、ごく自然であり、大事なことだと思います。また、感想はあくまで個人のもので、自由ですし、時間がたてば、変わることもありま

※当事者会は、休会中です。

<当事者会の感想>

開催日 2016 年 10 月 29 日

横浜ばらの会 当事者の会※に参加して

20 代~30 代の 4 名の当事者が参加して、職業観や仕事観で大いに盛り上がった。

● 働くことと生きること

当事者たちは働くことや仕事をすることに拒否感を持ってはいないようだ。ただ彼らは日本的働き方である「妄信的働き方」や「職場の人間関係の維持」を忌避していると感じた。

日常的に疑問を持つことや意見を発することを圧殺する働き方ではなく、疑問を解消することや議論をすることで理解と納得をした働き方や生き方を望んでいるようだった。

いま、若い世代では新興企業や NPO/NGO などの「やりたいことのための団体」に所属する人々が増えている。当事者が「新しい働き方、新しい生き方」を見つけることや作り出すことによって、現代の資本社会で生きていく糧を得られるのではないかと考える。

もちろん簡単な事ではない。

しかし、IT の活用の幅が広がる時代に入り、働く場所や働き方に変革が起き始めている。この変革の時代で「自分らしい働き方」を見つけたい。


● 親と子の働くことに対する意識の違い

いま、親と子の就職の衝突はひきこもり・ニート当事者親子に限らず起きている。就職活動時期になると新聞や学校で「今と昔の就職の違い」を扱うことが多いことからもわかるだろう。そのような時代でもあり当事者親子では輪をかけて衝突とズレが起きていると感じた。

親は日本的働き方を望み当事者の子に話しかける。しかし、働くことの意識の違いが原因で本質的な話がされてないように感じた。

当事者は「生きていたら働いていた」と考え、「仕事」に囚われず「実質的には仕事」をすることで収入を得て生きて行きたいと考えているようだ。

ある活動をしているとき、負の感情より正の感情が勝る活動が「実質的には仕事」となるだろう。当事者は、この「実質的には仕事」になるかもしれないことを考え探すところ、そこが「働くことのスタートライン」と考えているのではないだろうか。


経済紙に載る働き方が唯一正解ではないことを理解していただき、多様な働き方が世の中にあることを知りながら働き方・生き方の親子の会話をしていければと思う。

<学習会の感想>

開催日:2018 年 10 月 13 日(土)

テーマ:回復に必要な依存・退行と問題になる依存・退行

講師:高橋 晋 氏(KHJ 本部)

◎ 私にとって、やっと、きた~!という感じの講話でした!もやもやが解消され、すっきりです。


◎ 高橋先生の学習会は、前回の気持ちを払拭してくれる大変癒される会でした。

冒頭部から、様々な手法を論じる講師(全肯定するべき or それではよくない etc)がいる事を上げてくださり、高橋先生自身はその時に応じて Yes No を区別しているとのこと。とても納得できました。


◎ 高橋先生のお話は、今まで学んできたことをあらためて確認でき、さらにその時の子どもの気持ちも代弁してくださっているようでした。

印象に残ったのは、子どもが親に過去のことに対しての愚痴を言ったり、責めたりする時は、そうだったんだね、辛かったね、という言葉をかけてあげるということです。

子どもの話と親の記憶が一致しなくても関係なく、子どもの言っていることが真実で、その時親はできてなかったね、とあいづちをうつことが大切。

だんだん子どもの気持ちがおさまってくる。

また、親に伝えたいことが伝わらない時、物を壊したり、サインとしての暴力が出たりするが、傷つけようとはしない。無理に力でおさえつけるとさらに暴力がひどくなる。傷つける暴力に行って

しまう。

ひきこもりの人は、真面目で繊細で人に気をつかって相手に合わせる生活をしてきているため、人一倍疲れてしまうのだと思います。でもそこはとても良いところだと思うので、少しでも良いところが生かせるような働き方、生き方ができるような社会になっていってほしいと思います。


◎ 本人の過去の記憶と親の記憶が事実として異なっていても、重要なのは、その時、本人がそのことをどういう気持ちで受けとめたかである。

例えば「そう思っていたのね。気が付かなくてごめんね。」と答える。

「そうそう教」的な傾聴から一歩前進するには、本人の発言の背景(心の深部)にある恐怖、苦しさ、寂しさ、愛が欲しい、などに寄り添って対話をすることが良い。

本人の際限なくエスカレートする要求には線引きをすることも必要。

具体的な答え方は当人の気持ちを受けとめ、状況を計りながら慎重に。

例えば「今度でいいかな?」「それはちょっと今は経済的に厳しいかな。」「親の勘なんだけどやめた方がいいかなと思うよ。」「神様がそういっているからね。」等。

理屈に理屈で答えていくと悪循環になることが多い。

退行に関しては良い退行と悪い退行がある。前者は本人からの自発的なものであるが、後者は、親が過剰に誘導するもので、子供からみると親からのコントロールと見える。

100%の完璧を目指さないこと。親のエネルギー(努力)も限界があることを当人が感じるようにしていくことも必要。体調不良の時は子供に頼ることがあってもよい。


◎ 私に響いたのは、最初に高橋さんが発した以下の一言です。

「ひきこもりは、自分自身の問題です。」

はっとしました。このことへの解説はありませんでしたが、所詮、親が肩代わりすることのできない問題であると、解釈しました。親が何とかしてあげなくてはではなく、本人が自分の力で何とかするしかないので、親にできることは、まずは環境を整えることから始めるということなのですね。

主役は子自身であることの意味がわかったような気がしました。

そして、なんと言っても、「子を全肯定し続けているのに、親への要求や攻撃がエスカレートする、あるいは継続する理由」です。


◎ 高橋先生のお話はとても説得力があり私の迷いや疑問を払拭し学ぶべきことがたくさんありました。

感受性が強く周りに気を使って生きて来た子は親の愛情を感じにくいこと、親が子供の表面の言葉や要求に拘ることなく心の奥にある本当の気持ち(苦しさ、寂しさ、愛情を求める)に気づき応えること、3 つの暴力の意味や 3 つの自殺に至る理由、手紙での親子の関わり方、全体を通し親が子供の心に寄り添い、子供の心をしっかりと受け止め、安心して過ごせる環境を家庭で整える事がいかに大切であるかを改めて痛感しました。

自分の心がスッキリとして良い意味でまた息子と向き合って行こうと元気を貰いました。またいろいろと学ばせて下さいね。ありがとうございました。


◎ ひきこもりが長引く条件について

・硬直化

心も体も生活も家族も硬直化してしまっている→弛めること

・親子関係のわだかまり

過干渉とひきこもりの後の食い違い

・本人の主体性、自発性

成長できていない、潰された。

これは本人だけの問題ではなく社会構造や日本の家族文化の問題でもある。

本人に考えさせる、決めさせること。

対応については皆さんにもお話があったと思いますが、踏み込みが必要とのこと。

たとえば、手紙を書く。

子どもの気持ちに寄り添って、「あなたがやりたいことを望みます」

「幸せに近づいていってほしい」など、背中を押すのではなく、責めてはいないという気持ち。

手紙は後々まで残るものなので、カウンセラーに添削してもらうこと。インパクトが大きいから一回出したら暫くは出さない。


◎・講師や支援団体により、方針は様々。考えや方針の偏りは危険。

→「こうすれば絶対によくなる」なんてことはないので、タイプや状況にあった対応ができるように。

・子が言葉での吐き出しがうまくできないタイプでは、子の気持ちを親がうまく受け止められないと、要求がエスカレートする。

→苦しい気持ちに寄り添うように。

・子が強迫神経症的でこだわりが強いタイプの場合、親がどんなに子の要求を受け入れ続けても、要求が継続あるいはエスカレートする。

・ひたすら親を批判し、要求を繰り返すその心の底には、苦しさ・寂しさ・愛情を求める幼さがある。

奥にあるその気持ちに対応せず(気付かず)、表面の要求にのみ応え続けても、本人は満足しないので、要求はエスカレートしていく。批判や要求や支配は、親の関心を引くため。

→心の奥底にある苦しさ・寂しさ・愛情がほしい気持ちを考え、それに気付き、理解と愛情を示すように。

→表面の要求は親の関心を引くための手段にすぎないので、それに答えることにこだわることはない。

疲弊しないように。

・子が親を巻き込み、支配するのは、親への怒りが強いタイプ。本当の気持ちに気付かない親に対して、延々と現実離れした要求や支配が続く。

→努力の限界を少しずつ見せるようにし、親の方から線を引くように。

→理屈には理屈で返さない。

→親からの抵抗によって、子は感情面が刺激されることがあるので、その感情を受け止められるよう親側の準備(覚悟)が必要。

・「あの時、自分はかわいそうだったんだ」と、自分に愛情を注げるように。

自分の傷を認め、自分で傷を癒やすことが大事。

→親は、あの時こうしてあげればよかった、ではなく!あの時、本当にかわいそうだった、つらかったねと、子の気持ちに寄り添うことが大事。

<学習会の感想>

開催日:2018 年 9 月 15 日(土)

テーマ:重要 反抗・抵抗・吐き出し・退行

講師:枡田 宏子 氏(SCS カウンセリング研究所)

◎ 9/15 の学習会で、「親は腹をくくって、子を無条件肯定しましょう。」という話に疑問を感じていました。以前、子の親に対する暴力を受け入れていたお父さんが、息子を殺してしまう事件がありました。

子を尊重する気持ちを持っているから、子の要求を受け入れるのですが、犯罪行為はできませんし、させられません。そんな気持ちのときに、『「子の気持ちを受け入れるということ」と「子に流されること」の違い・見極め・判断が本当に難しい。

「子のわがままが過ぎるのでは?ここで親の気持ちを言って、もっと状況が悪くなったら・・」と葛藤の連続でした。』というあるお母さんの話を聞いて、同感しました。子の無茶な要求の奥にある、子の気持ちを考えて、親が見極め・判断しようと思います。

なお、枡田先生が誤解を恐れずに本音で話してくださる内容には、学ぶことが多く感謝しています。枡田先生が言いたいことは、当事者の気持ちを受け入れて寄り添おうということなのだと理解しています。

◎ 「子の無茶な要求の奥にある、子の気持ちを考えて」というところを『(子の気持ちの)無条件肯定を』と、SCS 講師は言い換えているのだと解釈しました。決して、法を犯してまでいいなりになることではないことは、皆さんも同意見なのではと思います。

ひきこもると社会的成長が遅れてしまいますので、親が社会の常識やルールを、時として毅然とした態度で伝えることも必要だと、私は思っています。

気持ちを 100%受け入れることと、言いなりになることとは違うということ、とても大切な事だと改めて思い直しました。

◎ 今回 9/15 の学習会は、なんだかすごーく疲れました。桝田先生のお話で何点か気になったことを上げます。

発達障害は今バブル期で、誤診が多いとのこと。診断されて生きる方針が決められ楽になる方、障害という名がつけられ落ち込む方、それぞれ各々でしょうが、どんな受け取り方であれ人生を左右することです。医者や保健師など専門家は、選別でしかないような安易な診断はしてほしくないなあと思いました。

先生が体験された事例での、自分の考えや行動予測を立ててみるのは、自分の真のところが見え隠れし足りなさを感じ、自分自身をちょっと苦々しく感じました。

<講演会の感想>

開催日:2018 年 9 月 29 日(土)

テーマ:おだやかな自立への道に向けて、親の役割を考える~ひきこもり「80・50問題」の向きあい方

講師:池上 正樹 氏(ジャーナリスト)

○ 青少年センターのレクチャー講演会、感激、感動しました!池上さん、パネリスト 3 人のコメント、ツボにあたりました。

○ 充実した会の内容で得られるものがたくさんあっただけでなく、運営のお手伝いも楽しいものでした。私は家族としての当事者だと思っています。仲間とつながりたいと仲間を探して奮闘していた時を思えば、こんなにたくさんの仲間がいてつながり語り情報が得られる、私にとってこんなにうれしいことはありません。

反面、繋がれず語れず一人で抱え込んでいる人もたくさんいるはずと思うのです。息子さんの言葉はしみますね。当事者同士の言葉ってこんなに響きあうものなのですね。


○ 先生のお話に加えて、三人の方とのトークは 建て前も飾りもなく、経験したお話と本心で語ってくださっている言葉で、ストレートに胸に響くものでした。私も頷きながら聴きました。息子さんからのラインも、本当に嬉しい限りです! 沢山の方が来てくださった中で、少しでも希望と何かしらの力を得て帰ってくれていたら良いなぁと、思います。

最近、私は、引きこもりの、ゴールってどこなんだろう、就職出来たら、ゴールかな⁈と思っていた時も有ったけど、そうでは無いなと、感じていました。どうなったら安心なんだろうかと。

人それぞれ、ゴールと感じるものは違うのでしょうが、私にとって、まだまだ、息子は、これで安心と思え無いので、ゴールでは無いのだなと思いました。 かといって、すぐにどうなる訳でもなく、本人の苦労は、本人に任せ、マネージャーに徹し、毎日、目の前の事をこなして、親も楽しく過ごす様に心掛けていこうと思いました。


○ 昨日のような広報活動(講演会)を KHJ で行っていることで、行政の若者支援活動が進んでいるのですね。池上さんAさん、Bさん、Cさんの話は、新たに知ることもあり大変参考になりました。

サポステや就労支援株式会社の実情は、是非行政側に伝えたい内容でした。


○ 講演は聞くことができませんでしたが、Q&A での当事者の方のお話と講演後の懇親会で、いろいろとお話が聞けて良かったです。世間が広がりました。一人であれこれ考えていてもだめですね。


○ 息子が池上さんの講演や 3 人の経験者のお話を聴けて、本当に良かったと思います。池上さんとまたお会いしたいと言っています。


○ 「これからの時代は、就労という目標ではなく、それぞれが生きていくために自分の道を見つけて拓いていくことが大切」という話が良かった。講演全体を聞いて、当人にとって、安心の場を構築することが最重要であると改めて認識した。

当事者の方の話で、「親といい雰囲気で話していて心が和んでいるときに、最後の一言、「ところで就活は?」でやはり本音はそうなのか!と思い心の安心感は崩壊する。」は重いコメントであった。

当事者の話で「このような自分は世界で一人と思っていたが、居場所に勇気をもって出かけることで、自分と同じような人が多くいると認識できてホットした。」という言葉は、大変参考になった。


○ 経験者 3 人を連れて来てくださったので、当然ながら当事者の気持ちを十分に汲んでのお話で、うちの息子も直接聞けたのは、本当にラッキーでした。池上さんと 3 人の経験者のお話に感激したようです。

庵や、ひき桜のことも、良い印象を持ったようです。親が子の名マネージャーになるということは、今まさにうちが取り組んでいて、本人の希望をできるだけ聞きながら、やりたいことを手助けし、自分でできるように促していくようにしています。

と言っても、1歩進んで2歩下がる、みたいな試行錯誤で、簡単ではないですね。名マネージャーではなく迷マネージャーです。


○ 池上氏のお話は今のひきこもりの現状、問題点、対策、親のできること、また当事者の気持ちなど、資料を交えながらとてもわかりやすく、あらためて考えることができました。当事者の方のお話も聞くことができたことは、とてもありがたかったです。

なかでも印象に残ったのは、親と楽しく会話していたが最後に、で仕事は?と聞かれたことで全て台無しになってしまう、とても悲しかったとのお話です。子供はいつもそのことについて考え、悩んでいるのに、追い打ちをかけるように言われてしまうことは、とても辛いことなのだと思いました。

池上氏の、ひきこもる人が社会に合わないのではなく、社会に問題がある、というお言葉はとても共感できます。

ここまで不登校、ひきこもりが増えていることが大きな問題で、今後ひきこもりの人が安心して生きていける社会になっていってほしいと願います。私も子供の良いマネージャーになれるようにこれからも勉強していきたいと思います。