【非公開作品】2023/07/06
3DCG Animation, Composite, Music Video
【非公開作品】2023/07/06
3DCG Animation, Composite, Music Video
Faulty
とある映像展覧会にて上映した3つの映像のうち、メインの作品。
3DCGアニメーション作品。
突発的な自殺衝動に悩まされていた過去の自分(作者)をモチーフにした映像作品。フラストレーションの爆発を描いた。
正解不正解という枠が無いことを前提として、物事の前提から疑い、常識や固定概念に捉われず多くの可能性を考えることができる人間への憧れを描いた。
同時に無力な自分への否定的な感情、そして自分の存在すら疑って不安感が増す一方となっていく主人公の感情を抽象的に描いた。
大胆な動きが多いカメラワークは、大衆や自身の情緒に振り回されている主人公の迷いや混乱を表現している。
加えて、自身の内面にあるエゴを容認せず感情を抑制して前に進み続ける心理を描写する事により、展開を補強した。
作品は一貫を通して不安定な設計となっており、構成やカット割りのテンポで感情の落差が激しいことを表している。
登場する「扉」は、複数の選択肢を表現したものである。自分の人生の責任は全て自分にあり、どの扉を開くのか委ねられている。
ラストで自らの命を絶つことを決意した主人公の最期は、その扉の中の一つに過ぎない。
タイトル「faulty(フォールティー)」とは「欠陥がある」という英語の形容詞である。題名を名詞で概念化しないことによって、人の不完全さを強調した。
形容詞は名詞を形作る働きを持つので、今回の題名は本来の英文法から考えると「不完全な○○」のように、見る手へ解釈を委ねるという意味合いがある。
制作期間は7 か月を超える。制作過程では、Blender にて120回を超えるレンダリングを行った。
フォトリアルを追求しつつ、物語が描く不安定さを同時に表現するためにコンポジットを大胆に行った。
3DCGはBlenderとUnreal Engineを、コンポジットにはAfter EffectsやPhotoshopを使用した。
また、ディスプレースメントマップジェネレータとして、JSPlacementを採用。人体モデルはVroidで作成。
VHS調の表現や、Flash Professionalを用いたロトスコープなど、これまで身に着けてきたスキルを総動員した。
カラーグレーディングは、主人公の頭の中で描かれるシーンと、現実を区別する目的でカットごとで色を対比させる事を重視した。
日本語と英語だけではなく、スロバキア語も用いた。
加えて、恣意的に主人公の顔を描写していない。
これにより作品に込めた意図を、更に不明瞭なモノとした。
大スクリーンで上映される事を想定して制作した為、画作りには何度かレンダリングを重ねて微調整を行った。
Faulty
Directed by Khankota.works
Special Thanks:
Studio DemonStayer.
Y.C.H.
Cuckoo Family.