ウリ科作物は、殺虫剤ディルドリンやダイオキシンなどの残留性有機汚染物質 (POPs) を果実に蓄積します。これには、ズッキーニから同定されたタンパク質であるmajor latex-like protein (MLP) が深く関与しています。MLPは、POPsと根で結合し、POPsとの複合体の状態で導管へと分泌されます。その結果、POPsはMLPを介して果実へと輸送され、汚染が引き起こされます。
これまでに、ウリ科作物のPOPs汚染を低減するために、MLPの機能を制御する低分子化合物 (農薬) を選抜しました。具体的には、MLP遺伝子の発現を抑制する農薬、MLPとPOPsの結合を競合的に阻害する農薬の散布により、POPs汚染を低減しました。