真
敵が刀を抜き上げた刹那に、右脇に向かって斬り上げて脇下の腱を斬る。敵は右腕の自由を失って体勢が崩れる。その時左袈裟を斬って仕留める。
連
前後に敵を受けた場合で、まず前敵の眉間に諸手で抜きつけ、後ろを振り向くや、後敵を真向に斬り下ろして仕留める。
左
左方に座せる敵が鯉口を切らんとするや、九十度左に転回すると共に敵の頚動脈又は右眼に抜きつけ、体勢崩れるや真向に斬り下ろして仕留める。
右
右に坐せる敵が刀を抜き上げんとするや、直ちに右に九十度転回して、右脇に向かって斬り上げ、体勢崩れるや真向に斬り下ろして仕留める。
捨
前の敵が既に刀の半を抜きたる刹那に迅速に抜刀して右腕に抜きつけ、刀を返して踏み出した右膝を斬って仕留める。
水月
抜刀せんとする敵に右上膊(はく)部に斬りつけ、体勢崩れた所を諸手で突きを入れて仕留める。
陰中陽
前の敵が既に刀の半を抜きたる刹那に迅速に抜刀して右腕に抜きつけ、刀を返して踏み出した右膝を斬って仕留める。
陰中陽応用
前の敵が既に刀の半を抜きたる刹那に迅速に抜刀して右腕に抜きつけ、刀を返して踏み出した右膝を斬って仕留める。
響き返し
敵が抜き上げんとするや、右脇に向かって斬り上げ、体勢崩れんとするや突を入れ、更に斬り下げて仕留める。
破図味
前の敵が立ち上がるなり抜刀せんとするや、跳び上がって敵の右脇を斬り上げ、敵が身を沈めんとする所を突に出て、敵更にせまるや再び突く。敵体勢崩れる所を真向より斬り下ろして仕留める。
前腰
数歩前にある敵の殺意を察知し、走り懸かって斬り上げ、退くところを真向に斬り下ろして仕留める。
夢想返し
数歩前の敵に殺意あるを察知し、走り懸からんとする時後方より更に敵現れる。まず前方の敵の眉間に強き一撃を与えて戦闘能力を失わしめ、振り向きざまに後方の敵を真向から斬り下ろして仕留める。
廻り懸り
索敵しながら前進中突然左に敵を発見し、左に向き直るや右眼(又は頚動脈)に抜きつけ、体勢崩るるや真向に斬り下ろして仕留める。
右の敵
索敵しながら前進中突然右に敵を発見するや、右に向きを換えると共に刀を抜き上げた敵の右脇を斬り上げる。敵の後退するを追い、真向に斬り下ろす。
玉光
抜きつけて来る敵の刀を一歩退いてはずし、刀を抜き上げ、一足踏み出して真向に切り下ろして仕留める。
四方
前敵に向かって前進中四方に敵を受け、先ず前敵の眉間に片手抜付で一撃を与え、後方に振り向くや後敵の左袈裟を斬り、右の敵(初の左敵)の右脇を斬り上げ、更に後敵(最初の右敵)を真向に斬り下ろして仕留める。
胸尽し
敵が抜きつけて来たのに対し、右足を大きく一歩退いて、之をはずすと共に抜刀して右腰にとり、敵の胸部を突く。敵の体勢崩れるや、右足を一歩前に踏み出して真向に斬り下ろして仕留める。
円要
後方の敵が抜刀せんとするや、之を察して振り向くと共に右脇を斬り上げ、退くを追うて真向に斬り下ろして仕留める。
両車
演武者は正三角形の頂点Aに立ち、B、Cに居る敵に対するものと仮定して行う。B、Cの敵が柄に手をかけるや、左斜前のBの敵に注目して急に右斜前の敵Cの眉間に一撃を与え、直ちにBの左袈裟を斬り、返す刀で再びCを真向に斬り下ろして仕留める。
野送り
正面に向かって斬りおろす敵の刀を受け流し、
体を右へ抜いて敵の左腰を斬って仕留める。