受傷からおよそ1ヶ月以内(亜急性期)の患者様を対象とした初期の臨床研究は終了しました。現在は実用化に向けた検討を継続していますが、次回の患者募集を行うかどうかや、その時期は未定です。方針が決まりましたら、こちらのホームページにてお知らせいたします。
受傷後およそ1年後以降(慢性期)の患者様を対象とした細胞移植治療については、これから治験を開始するべく準備中です。時期や詳細が決まりましたら、こちらのホームページにてお知らせいたします。
慶應義塾大学病院では「ニューロモデュレーションセンター 」を立ち上げ、先進的な医療機器を用いたリハビリテーションを開始しました。これまでの臨床研究により、歩行やバランス機能の改善が見込めることがわかっています。自費診療となりますが、関心のあるかたは上記リンクからホームページをご覧ください。
受傷後72時間以内の患者さんを対象とした HGF 投与の第III相試験は終了しました。今後、追加治験の実施が予定されています。研究の詳細や最新の情報については、開発を行っているクリングルファーマ社のホームページをご覧ください。
脊髄損傷に対する細胞移植は、世界中で研究開発が進められている治療法です。日本では、受傷後早期の脊髄損傷患者さんを対象として、ステミラック注という細胞治療薬が承認されています。また、その他にもさまざまな種類の細胞を用いた臨床研究が国内外で行われています。
慶應義塾大学では、iPS細胞由来神経前駆細胞を用いた亜急性期脊髄損傷患者さんを対象とした臨床研究を実施し、一部の患者さんで運動機能や感覚機能の改善がみられました。ただし、その改善が細胞移植そのものによる効果なのか、自然回復やリハビリテーションによる影響なのかを区別することはできません。すべての患者さんに効果があるわけではなく、改善の程度にも個人差があります。効果を科学的に検証する目的で、現在も慎重に研究を進めています。
また、国内では自由診療として幹細胞治療を提供している医療機関もあります。しかし、使用する細胞の種類や対象となる患者さん、治療方法、科学的根拠は施設ごとに異なります。現時点では、慢性期脊髄損傷に対する細胞移植の有効性について十分な科学的根拠は確立されておらず、研究段階にある治療も少なくありません。
細胞移植を検討される際には、期待できる効果だけでなく、科学的根拠、安全性、費用負担などについて十分に情報を収集することが重要です。また、治療を受ける前に、論文などで報告されている治療成績やリスクについて十分な説明を受け、納得した上で判断することをお勧めします。
これまでに慶應義塾大学病院で実施した臨床研究において、細胞に起因する重大な有害事象(重い副作用)は確認されていません。ただし、新しい治療法であるため、慶應義塾大学では、安全性を慎重に確認しながら研究を進めています。当院の臨床研究や治験にご参加いただく場合は、リスクや注意点について事前に十分ご説明し、ご理解・ご同意をいただいたうえで実施します。
慶應で現在計画しているiPS細胞由来神経前駆細胞の移植治験は、 first in human の Phase 1 試験であり、あくまで安全性の確認を主目的とした臨床試験となります。そのため、小児症例を対象とする予定はございません。今後の研究の進展によって適応が広がる可能性はございます。ご理解の程よろしくお願いいたします。